碧水ホールからのお知らせ
1997(平成9)年度自主企画ラインナップ
[予告編]
記述してある企画は現在準備中のものです。また長期予定でもありますので、内容が大幅に変更する場合があります。
企画・会場・お問い合わせ先
碧水ホール[近江鉄道「水口城南」駅前]
滋賀県甲賀郡水口町水口5671 〒528 TEL.0748-63-2006
FAX.0748-63-0752
碧水ホールでは、日本を含めたアジア音楽の広がりを感じるコンサートを毎年企画しております。平成9年度では、この基本テーマをもとに「うたうこと」にスポットをあてていきます。
初夏には声明とインド音楽が出会うコンサートが待機しています。声明といえば音楽というよりも、お寺で唱えられるお勤めの一つといったイメージに収まりがちですが、さまざまな仏具(木魚、鉦、拍子木、太鼓、鉢など)をリズム・セクションに朗々と唱えられる様はまさにパフォーミング・アーツの世界であり、合唱の元祖ともいえます。そして、インド音楽。実は声明とインド音楽は、ヴェーダを起源とし、それぞれの永い歴史を経て独自に発展してきたものなのです。つまり、声明とインド音楽は、ヴェーダを母とした兄弟といえるでしょう。このコンサートは異文化の出会いであると同時に、再会の場でもあるのです。
そして、もうひとつ注目して取り上げる「うた」は沖縄の島唄です。あらゆる分野において沖縄が注目されている昨今なのですが、とりわけ沖縄の音楽には熱い視線が注がれています。そして、これまで世界各地の音楽が紹介されてきた流行とはちょっと事情が違うような気がします。プロ、アマチュアなど関係なく誰もが三線(サンシン)を弾いて唄える土壌があり、伝統を保存するよりも、むしろ伝統を同時代的に生かしていくという、本当の意味での実験精神が沖縄にはあるからではないでしょうか。沖縄の豊穰なる唄が水口に響くのは晩夏の頃になりそうです。
ところで、音楽は聴くだけではありません。という訳で様々な民族楽器をコレクションした音の展覧会を計画しています。民族楽器は視覚的にも十分魅力的なのですが、やっぱり音があっての楽器です。この展覧会は、楽器を眺めるだけでなく、みなさんに楽器をさわっていただこうという企画。題して「さわる民族楽器展」。なお、特別プログラムとしてコンサートも計画しています。
さて、碧水ホール自主企画は、映画の企画上映もウリだということをお忘れなく。
映画が誕生したのは1895年のこと。つまり、映画は2世紀目の歴史を歩み出したのです。21世紀よりも一足早く新世紀を迎えた映画。これから100年後も200年後も、そしてそれ以降もこの関係は続くことでしょう。
で、これまでの碧水ホール企画上映は、齢100年の映画史を顧みるかたちで、かつての映画を光らせてきたような気がします。この7年間上映してきた作品数は、203作品。世界で初めて公開された1895年のリュミエール作品も、もちろん上映しました。
そこで、今年はこれからの映画史を展望していくスタートラインにしたいと思います。取り上げるテーマは「プライベート・ムービー」。今充実した仕事をしている映画人達のまなざしは、自分自身を含め、身の回りの出来事や日常へと向けられています。これは、退屈(かどうかはわかりませんが)な日常の中にも映画的な瞬間があるという証差であり、こうした瞬間を発見していく行為が日常を何とかやりすごさせてくれるのではないかと思います。この企画上映は紅葉の終わりを惜しむ頃に、全6日間で約20作品を上映します。作品上映だけでなく、たとえば映画監督に来ていただいてお話しを聞く時間をつくったりなど、特別プログラムもご用意出来ればと、現在調整中です。もちろん、毎回恒例のオリジナル・テキストも制作準備中。
さらに、地元水口の作家、縁りのある作家、水口を題材にした作品などを毎年3期にわたり紹介している恒例のシリーズ展「シーズン展」は22回目に突入します。小じんまりした企画ですが、身近にアートな時間を過ごす場所として好評をいただいております。
最後に、ホールの舞台裏からも企画に関わっていこうとするメンバー碧水ホールボランティアスタッフをご紹介したいと思います。略称はHVS。平成6年度から活動を開始したHVS は、現在メンバーが11名。年齢も趣味も特技も多種多彩。平成7年8月に創刊したミニコミ紙「HVS通信」は現在12号まで発行。同年9月にはどこよりも早くインターネットのホームページを開設。水口から情報を発信するだけでなく、情報を収集する特派員としても、着実にその領域を広げてきました。4月には新しいメンバーの募集を行う予定です。
[HVSホームページのアドレス]http://www.jungle.or.jp/hvs/