世界のアニメーション
フィルム・コレクション
1996年10月5日(土)、6日(日)
碧水ホール
tel 0748-63-2006
上演作品リスト
ご案内はここをクリック
Aプログラム[全6作品・45分35秒]
●ビーズゲーム
THE BEAD GAME
1977/5分35秒/イシュ・パテル/カナダ
すべての生き物、そして人は、持って生まれた闘争心でここまで生き抜いてきた。しかし、現代という複雑な世の中で、この本能は人類を破滅へと導くのではないか?ビーズの美しいアニメーション。
●テイキング・ア・ライン・フォー・ア・ウォーク
TAKING A LINE FOR A WALK
1983/11分/レスリー・キーン/イギリス
スイスの画家ポール・クレーに敬意を表し、彼ののアイディアを、色彩と動きで探究し発展させた作品。第1回国際アニメーション広島大会入選、シカゴ、ザグレブ他で入賞。
●スクエア・オブ・ライト
THE SQUARE OF LIGHT
1992/5分/クロード・ルイエ/スイス
自分自身の影に惑わされるボクサーの幻想。彼の幻想はだんだん強くなり、突然砕かれる。第4回国際アニメーション広島大会・カテゴリーE 1位。
●フェブルアリィ
FEBRUAY
1978/9分/ストヤン・ドゥコフ/ブルガリア
男達は武器を持ち、ひとりまたひとり村から出かける。ついに芸術家まで……。残された女達はいよいよ自分達も武器をとり戦場へ…!?オタワ国際アニメーション映画祭入選。
●ジオロジック・タイム
GEOLOGIC TIME
1989/6分/スキップ・バタグリア/アメリカ
ダイナミックに、しかも叙情的に描かれる地殻変動。日常を超えた雄大な時間が流れてゆく。
●ハーピア
Harpya
1979/6分/ラウル・セルヴェ/ベルギー
オスカー氏は夜散歩をしていて、噴水で溺れかけていた女を助けた。その女は、目に写る全てのものをむさぼり食いながら彼についてゆくのだった……。カンヌ映画祭・短編部門グランプリ。
Bプログラム[全7プログラム・46分42秒]
●スプリングフィールド
SPRINGFIELD
1986/7分/エマ・カルダー/イギリス
女は部屋を掃除して、猫と踊ってビンゴゲームに出かける。胸のときめき、緊張、おそれ、喜び。女の一日のさまざまな感情の映像化。第2回国際アニメーション広島大会入選。
●スカイダンス
SKY DANCE
1980/10分/フェイス・ハブリー/アメリカ
紀元前25,000年の洞窟壁画から現代の宇宙旅行まで、人類が未知のものや宇宙との出会いなど、いかに広大な世界を求め続けてきたかを描く。ハブリーによる原始美術のアニメーションと、エリザベス・スワドスによるすばらしい民族音楽とのフュージョン。カンヌ映画祭公式出品作品、ヒューストン映画祭金賞。
●眠りなき夜
NUITS BLANCHES
1979/7分25秒/ニコール・デュフォール/フランス
森の中、一人の女性がカラスとともに暮らしていた。ある日、カラスがいなくなってしまう。やがて彼女は一人の男性に巡り会い、自分の伴侶とするが、数々の出来事の後、この男性とカラスが同一であったことに気付く。アヌシー映画祭入選。
●キャラクターズ
THE CHARACTERS
1986/7分22秒/エヴァート・ド・ベイヤー/オランダ
ジョージとベルの生活に記号や文字が押し寄せる。それらは二人を混乱させ、次第に不気味な脅迫観念になってゆく。第2回国際アニメーション広島大会入選。
●クロスロード
CROSSROADS
1991/9分30秒/ライムント・クルンメ/ドイツ
十字路に来た男がどちらへ行こうか決め兼ねている。出会う人達は勝手なアドバイスをして、彼を助けるどころか混乱させてしまう。オーバーハウゼン、クラコウ、シュトゥットガルトにて受賞。第4回国際アニメーション広島大会入選。
●空間のかけら
Chips in Space
1984/3分25秒/ケン・オコーネル/アメリカ
512色のチップから成る美しい立方体が宇宙空間を漂うコンピューター・アニメーション。第1回国際アニメーション広島大会入選、N.Y.メトロポリタン美術館選定。
●シジフォス
Sisyphus
1974/2分/マルセル・ヤンコヴィッチ/ハンガリー
山上に向かって永久に押し上げ続ける神話の男。ザグレブ国際アニメーション映画祭グランプリ、テヘラン映画祭批評家賞。
マジカル・ビュー!
Cプログラム[6作品・44分]
トニー・ヒル Tonny Hill
1946年、ロンドンに生まれる。建築と彫刻から映画を作り始める。75年にロンドンのテイト・ギャラリー、77年にパリのポンピドー・センターで映像と彫刻作品を発表。86年に『ダウンサイド・アップ』、88年に『ウォーター・ワーク』がメルボルン国際映画祭でベスト実験映画賞に輝く。活発に作品を発表し、イギリス、フランス、ドイツで絶大な人気を誇っている。
●車輪の歴史 A SHORT HISTORY OF THE WHEEL 1992年/1分
紀元前3,000年、人類は車輪を発明した。この映画では車輪が主人公として登場。主人公は一切動かず、乗り物と風景を爽快にぐるぐると回転させる。
●ヴュアーを持つ HOLDING THE VIEWER 1993年/1分
「俺について来な」と観客に宣言するやいなや男は、鉄の棒を持ってよろめきながら疾走する。棒が振り回される度に観客はブンブンと振り回される。そのドライブ感に感動の歓声。
●時報映像 STRIKING IMAGES 1990年/1分
大英帝国ロンドンの時計台を中心にして世界は回る。『車輪の歴史」、『ヴュアーを待つ』と本作品はBBC2のレイト番組「1分間映画計画」で放映され、この番組の目玉として人気を博した。
●ウォーター・ワーク WATERWORK 1987年/11分
お魚になったカメラ、いや水の目となったカメラは泳ぐ人々を映す。水面を境にした二つの世界を水の反射や、屈折率、空間と時間の逆転などを駆使して美しい映像を抽出し、作者独自のユーモラスな動きを演出。
●拡張映画 EXPANDED MOVIE 1990年/13分
ゴムのように気持ち良く縦横に伸び縮みする映像。極度に胴体の長い牛から極度にボディが短い車まで、時に奇怪で時に滑稽なイメージを作り出す。家の中や往来やピアノの鍵盤の映像が波打ち、映像は音楽になる。
●ダウンサイド・アップ DOWNSIDE UP 1984年/17分
「逆さまの逆さま」映像。のんびりとした家族のありふれた光景。ふいにカメラはするすると上昇し、惑星のように対象の周りを大きな円を描き、再び地上に舞い降り、そのまま何と地下に潜り、裏側の逆さまの別世界を捉える。カードの裏表のように世界を自在に行き来する、信じがたい驚愕のカメラ眼。
Dプログラム[8作品・40分]
ジョルジュ・Sシュウィツゲーベル Georges Schwizgebel
1944年生まれ。処女作の『パッチワーク』70年がアヌシー映画祭に出品され注目を集める。作品発表の度に賞を多数受賞、今やスイスを代表するアニメーション作家。上映作品以外に『ナクーニン』86年、『アカデミー・リーダー変奏曲』87年、4ヵ国20人による合作がある。第5回国際アニメーションフェスティバル広島大会では国際審査員をつとめる。
●イカルスの飛翔 LE VOL D'ICARE 1974年/2分58秒
電光掲示板のようなデジタルな光で描かれたギリシャ神話。太陽に向かって飛び、海に墜落したイカロスのエピソードをフランソワ・クープランの音楽に合わせて描く。
●遠近法 PERSPECTIVES 1975年/1分30秒
遠近法の中の動く人。滑らかに移動する視点から光の中を歩いてゆく女性をとらえる。絵筆を用いた最初の作品。優れたデッサン力による大胆な省略は、この作家独自のもの。
●オフサイド HORS-JEU 1977年/6分
サッカー競技を鮮やかな色彩感覚とスピード感で描いた作品。ボールを追う選手の姿はバスケットやアイスホッケーの選手に次々とメタモルフォーゼする。緊張感溢れる試合は一瞬のまばたきも許さない。
●フランケンシュタインの恍惚 LE RAVISSEMENT DE FRANK N. STEIN 1982年/9分30秒
モノクロの実験室から始まった映像は、次第に生気を帯びてくる。フランケンの誕生から恋愛の生成を、その主観的映像と不思議な吸い込まれるような移動感覚で描く。
●78回転 78 TOURS 1985年/4分
アコーディオンの奏でるワルツにのって、78回転のレコード盤のようにあらゆるものが回転する。公園にいる人々、遊園地の乗り物、コーヒーカップの中の渦。シュタット・ガルト・アニメーション・フェスティバル、他でグランプリ受賞。
●絵画の主題 LE SUJET DU TABLEAU 1989年/6分10秒
絵画に描かれた画家が、次から次へと名画の数々に入り込み、赤いドレスの女性に恋をする不思議なお話し。絵画のフレームや時代を飛び超えるメタモルフォーシスの快感!上海'92アニメーション映画祭審査員特別賞。
●破滅への歩み LA COURSE A L'ABIME 1992年/4分30秒
ベルリオーズのオペラをバックに、演奏場面と物語が同時にビジュアライズされる。ラストで展開されるマルチ・イメージの圧倒的な見事さ。ザグレブ国際映画祭クロアチア映画批評家賞
●鹿の一年 L'ANNウ DU DIME 1995年/5分15秒
狩人に拾われた怪我をした鹿と狩猟犬の物語。善意を巡る教訓的な物語を、鮮やかな色のダンスとして描き上げる最新作。
ご案内はここをクリック