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H.V.S通信 vol.21 1998年(平成10年)5月

この頃気になること  
 
前号から続く)
 それにしても、正月に聴いたヨーロッパの某フィルのニューイヤーコンサートの楽しそうだったこと。もちろんワルツ中心の楽しいプログラムではあったが、演奏者も聴衆も本当に音楽(演奏じゃなくて)を楽しんでいる。ひょっとすれば、日本の現在の演奏者も聴衆も音楽を楽しんでいない人が多いんじゃなかろうか、単に演奏の技量だけを楽しんでいるでは。

 それは日本の演奏会場とヨーロッパの会場の持つ差も関係しているかもわからない。人工的音響重視(マニアは残響時間がどうのこうのと細かいことを言う)の日本(とくに東京の大ホール)と永い歴史と石造りのどっしりとした建造物のなかの音響、なんかCDなどデジタルの音の軽薄さとアナログレコードの鋭い切れ味とともにある暖かさと重みの差みたいなものを感じるのは私一人だろうか。
 ここまで考えてきたとき、突然わが滋賀県が誇る(おそらく今年以降事ある毎に誇るだろうな)四面舞台にして、西日本一の大ホール「びわこホール」が頭の中に浮かんできた。このホールについてはいろんな意見があるようだが、出来た以上は最低限音楽が心から楽しめるホールであってほしい。期待の「引っ越し公演」の歌劇も、出演者やオーケストラの技量だけを楽しむような聴衆じゃなくて、気楽に県民(勿論県外の人も)が行けるようにしてこそ県民の税金が生きてこようと言うことだろう。
(料金が高くて超ビンボーな私には一生手が出そうもない。ヨーロッパのように立ち見300円とか500円、せめて1、000円でビンボー人にも鑑賞機会を与えるような工夫がほしい。)
(竹山靖玄/館長)
 

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