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H.V.S通信 vol.21 1998年(平成10年)5月

『東京日和』を観た日は  
 
 こんにちは。
 最近は仕事が変に忙しくてあまり陽にあたらない生活をしています。
 が、しかし、だからこそ、か。コミュニティ・ラボ・めふ「早春の光を味わう観光会」に参加してきました。ここは、宝塚市売布(めふ)神社駅前、梅田から阪急宝塚線で30分。
 まずは、室内で「光」についてのガイダンス。みんなが掌に光をうけ眺める光景は暖かで優しいものです。今でこそもう桜も散ったけれど、3月末は春の兆しがちらほら感じられ何とも言えない曖昧さ。SSで浮かび上がる松、芝生色の空気、参道の向こうの明るさ。懐かしくもあり、そして光を観るという意識には新鮮さがあります。普通30分の道のりを3時間かけて歩いていく間には、いろいろな発見や出会いがあり、気が付くと岩村原太ワールドにはまっていました。
光って何?と不安がることはありません。ちょっと散歩に行こうか、という気持ちでOK。コミュニティ・ラボ・めふだけでなく、各地で随時開催されてます。「観光会」というチラシを見つけたら、内容を要チェックのうえ、ぜひご参加を。
 そして、その約1週間後、『東京日和』を観た日は、桜が咲いているのを観ました。映画の中ではひまわりが咲き誇っていましたが。まるまるハッピーな話ではないけど、なんとなく「恋愛っていいなー」とか思ったり。
 で、その1週間後、『萌の朱雀』をようやく観た日には、もう桜は満開でした。先週は3分咲きくらいだったのに。映画の中の奈良の山々は緑。昔ながらの家とか生活とかは、懐かしくも哀しい風景です。縁側に座る祖母、もうずっと昔のそんな光景を思い出しました。
 この3週間、春があっと言う間に来てしまったかのようです。春かな、春かな、と思う頃って何となく気持ちが優しくなりますよね。でも、一気に来て、そして雨、雨、雨・・・。
 そんななか私自身は、年度替わりのフレッシュな気持ちになれないまま、仕事の渦にのまれていってしまってます。渦の中でどうしてもがんばれそうにないとき、あなたはどんな気分転換をしますか。身体を動かす、好きな人と過ごす、映画を観る、ぼーっとする、カラオケ、マンガ、眠る、おしゃべりをする・・・etc.・・・。私は、スポーツはしないし、カラオケもしないし、ストレス解消法って何だろ。
今までは仕事のストレスも仕事を頑張ることでクリアしてきたのだけれど、だんだんとそれも難しくなってきました。舞台も映画も音楽も、そんなふうに重荷に感じるときがくるのでしょうか。
 陽にあたらない(文字どおり、陽と出会わないということです)生活は今も続いています。それはやっぱり身体にも気持ちにもマイナスなんでしょう。だからといって、わざわざどこかへ出掛けなくても「光」は私たちの身近にあります。「観る」にはちょっとコツがいりますが。ちょっとそこまで歩く間にでも探してみましょう。そのたびに自分だけのお気に入りの光が見つかるはずです。
 春のなか。あなたもいっしょに探してみませんか。
(なかむらななえ/HVS)
 

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e-mail michio@jungle.or.jp(中村道男)