hekisui Hall voluntary staff original 1995
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H.V.S通信 vol.22 1998年(平成10年)7月
当世流行『ボランティアスタッフ』『ワークショップ』『市民参加』
こんにちは。
先日の『南の唄 北の歌』にはご来場いただけましたか?なかなか不思議な出会いでしたね。「沖縄だから」と来られたお客様がアイヌを知って帰られる、というのがなんだかうれしくて。
さて、いきなりですが、あの日HVSが何をしていたかというと・・・。集合時間は12:00、それからイスを並べ、パンチカーペットを敷き、平台を運び、マイクをセットして・・・。会場ができ上がれば、それぞれインタビューの準備をする人、リハーサルにつく人、受付のセッティングをする人などに分かれます。そして本番、お客様を迎え、舞台の転換を行い・・・。普段から舞台についている方などは「なんだ、そんなこと」とか思われるかも知れません。でも、HVSにとっては、今年からの新規スタッフはもちろん皆慣れないことばかり。ホールスタッフやベテランHVSに教わりながらです(だれがベテランは???)。でも、なんとなく少しスムーズに出来るようになったかな、とも。
それはなぜ?というと、HVS用ワークショップのおかげでしょう。音響・照明・舞台の基礎や接客などについての実演中心のワークショップ。先生は、ホールスタッフです。また、外へ出る研修の機会もありました。6月14日奈良県高取町リベルテホールで開催された日本音響家協会主催「ビギナーズ・トレーニング」に参加。早起きと10,000円は辛かったけれど、音響だけでなく舞台全般の分かりやすい講義をありがたく受け、他のホールのバリバリのスタッフのみなさんに影響され、気持ち新たにHVSの輝かしい未来について語りながら帰ってきたわけでした。
そのとき、講師の矢板賢二郎先生もおしゃってましたが、「ボランティアでもプロフェッショナル」をめざすということ。出演されるみなさん、お客様にとって、「ボランティアだから」では言い訳にはならない。でも、いきなりプロのようにはなれないから、出来ることから少しずつ、ですね。
でも、HVSは「お手伝いのため」のスタッフではありません。客席からだけでなく裏方からホールを楽しむ・ホールを応援するスタッフです。事業の日は「おにぎりと唐揚げ」もしくは「サンドイッチ」が食べられます。保険にも入れていただきました。でも、交通費・報酬はなし。ただし、お金ではないものがいっぱい得られます。裏方の技術というより、アートへの出会い、みんなでホールに関わる楽しさ、などなど・・・。だって、多くは碧水ホールの企画が好きでHVSに首を突っ込んだんだから。
公立ホールの今はやりは『ボランティアスタッフ』『ワークショップ』『市民参加』です。でも、ひとくちで言っても様々なパターンがあります。ボランティアスタッフでも、バリバリでうまく機能しているところも、だらだらと楽しんでいるところも。あるいは良くないな、と思う集まりもあるでしょう。「芸術に親しむためのきっかけづくり」の手段なのに、すっかりそれが目的になっていたり、誤解して言葉を使っていたりもします。でも、ひとつふたつの事例を見て「ボランティアスタッフは悪い!」とも言いきれないでしょう。
うだうだ書いていても仕方ないですね。実は『総研サロン』の「文化ホールとまちづくり」講演会で、ちょっとボランティアスタッフ論議が出ました。県内で5館ほどボランティアスタッフ制度を取っているらしいのですが、きっとやり方はいろいろあると思います。「HVSはこんなだよ」と言いたくても言えなかったので、ちょっとここで書いてみました。『HVS通信』で書いてたら一緒だなーとちょっと反省。
HVSはこんなです。『HVS通信 19.5号』(注1)でもっと詳しく分かります。でもこれを読んでくださっている方は、ご存じですね。
ボランティアスタッフ論議はどこでもけっこう盛り上がります。災害ボランティアの話やNPOの話へ行くこともあります。いろいろな人が興味を持っている問題です。私もずっと考えています。
でも。HVSはこのままだらだらいきたいな。
ボランティアスタッフと「HVS」、あなたはどう思いますか。
(なかむらななえ/HVS)
注1 HVS通信19.5号は「平成9年度生涯学習指導者交流研修会」の事例発表のためにレジメがわりに作られたもので、その会場で参加者に配布されました。見出しは「ミーハー気分とためぐち感覚......ホールとHVSの微妙な関係」。HVSの活動が簡単に紹介されています。
同様のものでは「号外」平成9年度の「水口町生涯学習見本市」に会場配布用に作成されたものがあります。このときの見出しは「碧水ホールのセンス・オブ・ワンダー」でした。
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