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H.V.S通信 vol.25 1998年(平成10年)11月




          

 こんにちは。 明日、友人とふたりでそちらのホールにおじゃまします。ロシア映画を楽しみにしています。ちなみに金沢でもロシア名画祭で7時間5分の「戦争と平和」を上映していますが、今回はいろいろ悩んだ結果、是非水口町の碧水ホールへということになりました。よろしく! 
小松市 山本

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 碧水ホールボランティアスタッフ宛にときどきメールが届きます。
 小松市からの二人の方のメールを紹介します。二人ともかなりの映画好き。本番にも来てくださいました。碧水ホールではゆっくり話す間もなかったのですけれど。
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 遠方からおこしいただきありがとうございました。楽しんでいただけましたか。
 水口はどんな印象だったでしょうか。hvs通信はお読みいただいてますか。どこか水口のほかのところをご覧になりましたか。

 水口は以前、このあたりの中心地の役割を果たしていて、古くから映画館が2つもありました。その両方とも15年以上前に閉館してしまいましたけれど。
 実は、「ロシア・ソビエト映画祭」プログラムが終わってから、かって水口映画劇場(「水映」と呼んでいました。)で上映され、そのころ映写技師を担当していた電気屋さんの津田さんのところで保管されていた「伸びゆく水口」シネマスコープと「弥次喜多珍道中」(サイレント)の上映が行われました。
 大変貴重なフィルムで、ことに「弥次喜多珍道中」のほうは、おそらく戦後まもなく、水口銀座映画劇場(こちらは「銀映」です。)ができる以前の水口の商店街のようすが記録されています。
 広告映画で、弥次喜多さんが50店近い商店を紹介してまわるという趣向です。この費用は商店街のそれぞれの店が負担しているものとおもわれ、場面の端々にもルーベンスの集団肖像画のように、奥の方でその家のおばあさんが火鉢にあたっていたり、弥次喜多のとなりにその家の子供たちがならんでいたりして、せっかく映画を(自前で)つくるのだから、みんなで写っておこうよ..というように、楽しんだ様子がでています。
 また、機会があればおこしください。
 なかむらみちお(hvs)


          

 メール有り難うございました。「ロシア・ソビエト映画祭」では、貴重な、しかも楽しいフィルムを観る事が出来て、とても充実した一日を過ごさせていただきました。
 個人的には「カメラマンの復讐」と「ヴォルガ・ヴォルガ」がとても気に入りました。
 「夫は仕事のストレスを解消に町へ出る」なんてところは、昆虫のおもしろい動きと人間っぽさが相まって、昆虫の世界の男達もこうなんだろうかとか、昔も今もやっぱり男は変わらないんだなーとかコトリともしない静けさの中で妙に納得している自分がとてもおかしかった。サイレント映画でしか味わえない面白さかもしれませんね。「ヴォルガ・ヴォルガ」はとてもダイナミックなミュージカルでさすがソビエト、広大な国!という感想です。主人公の歌も美しく味わい深く、すごく丁寧に作られた作品だなという印象でした。
「ベッドとソファ」は71分の長時間サイレント映画でしたが、何とか最後まで静けさに耐え得るだけの内容がありました。皮肉った題名もとても洒落ていますよね。
 小説や戯曲で素晴らしい作品を生み出した国。映画も又、期待に違わぬものがありました。素晴らしい企画にとても感謝しています。二日目まで観れなかったのが大変心残りです。
 他のフィルムも歴史的にとても貴重なものだそうで、入手経路やそちらのホールの選考基準などが帰路の話題になりました。又映画の歴史にも興味が広がっていき、二人ともますます深みにはまっていきそうです。帰りにお土産を買おうと思ったのですが、「水口名物」って何?、わからないままに彦根の方面に走っていました。とてもいい映画小旅行でした。
 水口商店街の「弥次喜多珍道中」のフィルムのお話、すごくすごくうらやましく、つい、つげ義春の世界を想像してしまいました。当時の商店街のおじさん、おばさん達がいかに映画を身近に感じていたか、また商売にかけるエネルギーと楽しさを「珍ドン屋」や「ノボリ」なんかをイメーシ゜しながら、いい先輩たちにめぐまれた水口町の方々、さすがーっ。
 まだいろいろ書きたいこともありますが、お返事が一日一日遅くなってしまいますので、今日のところはこの辺で…。
 一緒にお伺いした彼女(杉本さん)は今年六月にイラン映画「友だちのうちはどこ?」の自主上映で中心になった人です。私はほんのお手伝い程度しか協力出来なかったのですが、小松市で初めてのこの動きが、また何らかの形で発展し、映画館の一軒も無くなった私たちの町にも、大きなシアターには真似の出来ない「碧水ホール」さんの様な、文化の香りが楽しめる場所が出来たらなーって心ひそかに願っているユ98の秋です。 
   さようなら 
              1998.10.31  小松市山本三枝 


          

 メールをありがとうございました。
このメールは碧水ホールの上村さんにも転送されています。
 この山本さんのメールをhvs通信に掲載させていただきたいので許可をお願いします。なかなかレポート記事は書くのが大変なのですが、このメール見事なレポートになっています。遠くからこの企画に惹かれて来てくださる方があるというのも、水口の人たちに知ってほしいことのひとつです。よろしくお願いします。
 数年前「ニューシネマパラダイス」を見る機会がありました。イタリアの話ですが日本でも同じような映画事情があって、なつかしくなるようなエピソードがたくさんちりばめられています。
 映写技師が2台の映写機を切り替えるタイミングを知るのに、フイルムにコインを挟んでおく話があります。フィルムがそこまですすむとコインが床に落ちて、その音で技師はあわてて目をさます、という仕掛けなんです。
 昨年、近くの町の映画館が閉館されることになり、すでに荒れ果てたその映画館の映写室を見せてもらう機会がありました。はたして、床に10円玉が落ちていました。そのために使われたのかどうかは知りませんが。

そして....
「出来たらいいなあ..」と思ったら、とりあえず自分で始めるしかないですね。そう言って、いろんな人をけしかけてきました。私は悪い人です。
なかむらみちお(hvs)


          

 ミニコミ誌は継続するのにご苦労が多いと思いますが、HVS通信Vol.24の竹山館長さんの「ロックLPジャケット 私の一枚」はとても親しみをもって読ませていただきました。
 と、言って私が特にロックファンだったという訳ではありませんが、アストロノーツなどと懐かしい名前が出てきたり(年がばれそう)、またホームページにも「ホールの屋台骨となる哲学が絶対必要」とはっきりとご自分の意見を言える−−−お役人さんらしくないお役人さん(スミマセン!)、トップにそんな方がいらっしゃるからこそ、またそれを支え実行される、なかむらさんのような頼りがいのあるボランティアスタッフの方々の力があるからこそ水口町「碧水ホール」の魅力が伝わって来たのかもしれませんね。
 HVS通信がより充実し、碧水ホールの哲学が織り込まれ、そしてたくさんの方々に愛読され続けられることを期待しております。

 11月7日に小松市文化課の企画で作家高橋治さんの、映画「彼女だけが知っている」の上映が高橋さん自身の解説付きであります。 彼は白山麓に「僻村学校」を作ったり、ゴルフ場建設反対運動をしたりして、小松市の方では馴染みがある方なのですが、その方が映画をまで作っていたので、ビックリしています。小津安二郎への想いをつづったエッセイを図書館で見つけたので、いまそれをあわてて読んでいるところです。 
 先日、偶然夜中(BS.2で)にテオ・アンゲロプロスの「霧の中の風景」を見ることができ、とてもラッキーでした。またまた偶然ですが、私もこの夏家族で、群馬県に行っていました。
 では、さようなら。
           (山本三枝)



          

 水口・・・はるばる石川県の小松市から“ロシア・ソビエト映画祭”を観るために、初めて訪れました。人口3万5千人という小さな町にこんな素敵な催し物があるなんて、本当にいいですね。うらやましいかぎりです。映画以上に、実はどんなところかしら?っていう、興味もありました。が、きてみると、町も人も特に気張った感じがなくて、むしろとても静かでのどか。映画のためだけに走って来たとはいえ、東京や大阪で観るよりも、気持ちがグッと集中できそうで、いい予感がしましたよ。ボランティアスタッフの方々が初々しい(?)、好感のもてる人達であった、会場の入り口付近のポスターその他の展示も映画好きの心意気がかんじられた、というふうに、とても、とても、とても、いい空気でした。
 私は24日のプログラムをみたのですが、どの作品も興味深いものばかりでした。昆虫アニメの動きや白黒の世界の豊かさ、サイレントの新鮮さ、『ヴォルガ・ヴォルガ』などは、わが地元にある市民ミュージカル劇団(なんと2つもある)のみんなにみせてあげたいくらいでした。
 この時期、近くの金沢では『戦争と平和』(1960.セルゲイ・ボンダルチュク監督)のノーカット8時間の長編興行もありましたが、何かこちらの企画の方が気になって、あえて振り切って、こちらへきてやっぱり、自分の気持ちとして十分正解でした。今世紀初めのロシアの風景と人々の気持ちに、今、世紀末を生きる人間として、とても身近な事柄を介して共鳴できるものがあったからでしょう。
・・・・で、その後、映画が終わったあと、ブラリ隣にあった図書館横の歴史民俗資料館に立ち寄ったら、ちょうど閉館時間ジャストでした。あとで、いただいたパンフレットをみましたら、なんと日本の絵本界の創始者、巖谷小波氏の記念室だったのですね。絵本好きで、その世界を探訪中の私としては、後髪をひかれる思いで帰路につきました。こりゃ、また来なきゃいかんわ・・・・・。巖谷一六・小波のパンフレットの中の「三角と四角」ってお話しがおもしろかつたので、早速わが子に、良み聞かせ(最近、小松では力をいれている)たら、おもしろがってました。語り口と「わ仮名」なんて、これまた新鮮で今日の映画のサイレント体験と同じほど私にはインパクトが、ありました。

 かくして、琵琶湖周辺文化の香り漂う水口町で、懐かしさと共に、驚きと安らぎと新鮮さに出会えたことを感謝いたします。ありがとうございました。H.V.S通信も面白くてためになりますね。
(杉本 伸子)


          

 深夜で少し酔っておりますが失礼。
 過分のお褒めをいただきありがとうございます。ボランティアスタッフである私の担当としては、まずあなたのメールをへ碧水ホールに転送して...という段取りなのですが、さきに返信のメールを書いています。

 自分のことが一番わかっていないということがわかる。インターネットで経験できることの大事なことの一つです。巖谷一六・小波について書いていただきありがとうございます。
  もし、もう一度水口へきてくださるのなら、この11月7,8日は最初のチャンスかもしれません。水口には毎年4月20日に催される水口祭りというのがありまして、その曳き山と、その巡行の際はやされる、水口囃子というのがあります。
 お訪ねいただきました資料館のメインの展示が、その曳き山です。
 「第1回全国曳き山囃子大会」という催しを計画していまして、それが11月7,8日にひらかれます。8日がメインです。
 曳き山のスタイルとしては大きく「京都系組立式」と「高山系組み木・漆塗り系」とがありますが、水口は後者。 囃されるお囃子には京都祇園系と東京神田囃子系とに、私は勝手に分類していますが、水口は後者。つまり水口祭り京都の近くにありながら、京都祇園祭のスタイルではないお祭りです。
 また、その次のチャンスとしては1月の「京都チェンバーオーケストラ」です。お琴と室内オーケストラのコンチェルトが想像する以上にすてきです。

 戦争と平和(1960.セルゲイ・ボンダルチュク監督)は劇場公開版をまだ高校生のときにみたような木がします。当時からすごい映画といわれていましたが、主人公の女性がオードリーヘップバーンににているなあというのが私の印象でした。別のバージョンの「戦争と平和」と混じってしまいそうです。
 また、メールをください。


          

 メールをいただいた、その日31日の新聞に、わが町小松の「お旅まつり」(曳山子供歌舞伎)が市の無形民俗文化財に指定されたとでていました。水口の曳山のお話しから、一気に小松の曳山が、私の中で連動したような気分です。「自分のことがわかっていない」というのは、まさに私だなあ。二百数十年もの伝統が守り引き継がれてきていることの価値にきづかないんだから。市では、これを素材にまちおこしに力をいれていくそうです。また、それが、それだけではだめで複合的な組み合わせが要求される、ということです。市の相談役のNHKのえらい人がそういってます。むづかしいものですねえ。複合的とはなんやろか?ちょっとかんがえこんでしまいました。わたしは単純なので即、水口の曳き山おはやしがおもしろそうだから、合体するといいんとちがうかなあ、などとおもいました。
 11月は、行けなくて残念です。“いんたーねっと”は慣れていないのでミスだらけ。もし、まちがって転送がいっていましたらごめんなさい。
(小松・杉本伸子)


          

小松・杉本伸子 様  hvs25号にあなたからいただいたメールの一部を掲載したいので、ご許可をいただきますようお願いします。山本さんのメール、私の返信とあわせて「メールの楽しみ」または「往復書簡」風のスタイルにします。
 すでに山本さんのほうからはokをいただいています。遠くから我が町の碧水ホールに来てくださる方がいること、小波のはなし、小松の「お旅まつり」まで話が広がって行くところなどが大変楽しいからです。
よろしくお願いします。


          

 メールまめな、中村様!
 掲載、okです。25号が、楽しみ、楽しみ。
 では、お元気で。
            (杉本 伸子)




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