ハマってます!オークション(2000年10月9日) けっこう巷で話題のインターネット上でのオークション。私も今年の4月頃から始めたのですが、いやもう、すっかりハマってます。詐偽やらなんやら良くないことも言われていますが、節度を守り、自分が注意さえすればこんなにいいものはありません。欲しいものは手に入るし、いらないものは買ってもらえるし。自分にとってはどうでもいいものだけれど、それが欲しいという人が日本中探せばいるものなんですねえ。別に儲けようとは思ってないけれど、思った以上に高値で売れたりしたらやっぱり嬉しいモンです。
で、4月から9月頃まではもっぱら、マッキントッシュ関連のものを売り買いしていて、音楽関連といえば、雑誌を売ったりしていただけだったのです。ですが、ここにきてやっと音楽関連の品物(LPやCDなど)を買い始めました。なぜ、今まで手を出さなかったかと言うと、出品されている品物の数が多すぎたんです。「ロック」というジャンルを見てみても、グレイやらラルクやら8割が日本のアーティストのもので、自分の欲しいものを探すのもひと苦労。私のような間口の広い人間にとってアーティスト名で検索をかけるというのもきりがない。で、見るのもイヤだったんです。通信料の問題で、テレホタイムしかじっくり見れなくて、数多くのアイテムの中から欲しいものを探す気になれなかったということもあるし。
で、8月ごろよりケーブルテレビのインターネット接続に変えたもので、時間や料金を気にせずできるようになったんです。そこで、10月頃より「ぼちぼち音楽系を見にいこうか」という気になって、あれこれチェックしていたら欲しいものがあるわあるわ。今まで以上にどっぷり深みにはまりそうな気がしている今日この頃。その成果は当ホームページの「今月のアルバム」のコーナーで紹介していこうと思います。
「オークションって気になってはいるけど、めんどくさそう」とお思いのあなた、一度安いものから購入にチャレンジしてみてはいかが。きっとハマると思いますよ!。
寂しい1900年代の終わり(1999年12月30日) 「1900年代」がまさに終ろうとしています。2000年代を直前に控えた12月に悲しい出来事が次々とありました。まず、12月10日のリック・ダンコの死去。ザ・バンドは何度となくリユニオンをし、現在も活動していますが、ロビー・ロバートソンはかたくなにそれに参加しなかった。おそらくノスタルジックで金儲けのためだけの参加が好きではなかったのでしょうが、私も同じ考えでした。私にとってザ・バンドは過去のものであって、ラストワルツ以降のロビーもリチャードもいないザ・バンドは別のグループと思っていましたから。とはいえ、ザ・バンドの「動」的な部分を担っていたと思えるリックの死はやはりショックです。「今度こそ本当にザ・バンドは終わってしまったなぁ」というのが正直な感想です。初めてこのニュースを聞いた時、遂に全員が亡くなってしまった「七人の侍」のことをふと思い出しました。
そして26日、黒人ミュージシャンの中でも3本指に入るぐらい好きなカーティス・メイフィールドが死亡。リック・ダンコもそうでしたが、死因は不明との事。舞台照明の落下事故で半身不髄になるも、元気な姿を見せてくれていたのに.......。ニュース記事には「アフリカ系米国市民の権利闘争に大きく貢献した〜云々」とありますが、そんなたいそうな事は関係なく、ただ単に彼の音楽が好きなだけだったのですが。この文を書いていて思ったのですが、日本人って本当に肩書きに弱い人たちが多いなあと思います。その人の本質や生み出したモノでなく肩書きや評判で良し悪しを判断するという......。この件に関しては後日ここで話そうと思います。長くなるので。
で、カーティスのことをもう少し書こうと思っていた矢先、ジョージ・ハリソン刺されるというニュースが飛び込んできました。幸いにも命に別状はないようですが、どうしてもジョンの事件がダブってしまいます。犯人は30何歳かで、ビートルズの熱狂的なファンらしく、本当に何を考えているのやら....です。表題にも書きましたが、1900年代の最後の最後にこんなことが数多く起こるなんて、寂しい限りです。2000年以後に明るい話題が数多く出ることを祈りつつ、天に召された2人に合掌。
待ったこの日 〜I'm Waiting for the Day〜 (1999年8月10日)
7月9日に行って来ました、ブライアン・ウィルソンのライブ。大阪のフェスティバルホールに見に来ていた客層は実に様々。年輩の方はもちろん、若者もけっこういて、当然ほぼ満席の状態。ド真ん中の前から11列目という最高の席で見ることが出来ました。
客電が消えていよいよ始まるかと思いきや、ビデオが流れ始める。いっこうに終る気配がないので本人が来れなくてビデオコンサートになったのかと少し不安がよぎる。
が、やっとビデオが終り、スクリーンの前に人影が。ブライアンだ。あの人が目の前にいる、そう思うだけで大興奮。ライトが灯き、手を振り客にあいさつ。キーボードの前に座り、淡々と唄い始めるブライアン。すっかりしわがれてしまった声で私の大好きな曲ばかり歌ってくれる。ビーチボーイズの数多くのヒット曲ももちろんアリ。ファルセットの部分はさすがに出ないのか他のメンバーに歌わせているけど、ワンダーミンツなども含めたコーラス隊もばっちり。ペットサウンズなどのインスト曲も雰囲気バツグン。
途中休憩がはさまり、再び怒涛の名曲ラッシュ。「Good Vibrations」を生で聴ける日がくるなんて......とっても幸せ。時に「立て!」と煽るかと思えば、「座って」と静かに聴かせるなど、客扱いのツボもしっかり心得ている。そして最後にはあの「Be My Baby」を。ロニー・スペクターがブライアンの曲を歌っているのを知って大喜びしているビデオのシーンが目に浮かびます。
アンコールは「Caroline, No」でスタート。このあたりになると声もへなへな気味。でも、いいんです、そんなこと。彼の声が聴けるだけで。
そして2回目のアンコール。彼一人だけが出てきて、「最後の最後にこの曲をプレゼントします」と「Love And Mercy」を。唯一のファーストからの選曲で、本当に歌ってほしかった曲。終った後、手を振りながら去って行くブライアン。客電が灯き、館内放送が流れ始めてもアンコールの声と拍手は終らない。10分後ぐらいか、再び登場し、みんなに投げキッス。さすがに疲れているのか歌はなかったが、それだけでも大満足。本当に至福のひとときを過ごさせていただき、ありがとうございました。ソロでの来日コンサート、最初で最後かも知れないけど、ぜひまた来てください。
※以下に大阪でのセット・リストを挙げておきます。間違っていたらご免なさい。
< SET 1 >
1. The Little Girl I Once Knew
2. This Whole World
3. Don't Worry Baby
4. Kiss Me, Baby
5. In My Room
6. Surfer Girl
7. California Girls
8. Do It Again
9. I Get Around
10. Let's Go Away For Awhile
11. Pet Sounds
12. South American
13. Surfin' USA
14. Back Home< SET 2 >
15. Wouldn't It Be Nice
16. Sloop John B
17. Add Some Music to Your Day
18. Darlin'
19. Lay Down Burden
20. God Only Knows
21. Good Vibrations
22. Your Imagination
23. Help Me' Rhonda
24. Be My Baby
< ENCORES >
25. Caroline, No
26. All Summer Long
27. Barbara Ann
28. Fun,Fun,Fun
< ENCORE 2 >
29. Love And Mercy
ブライアン・ウィルソンがやってくる
イヤァ!イヤァ!イヤァ! (1999年5月25日)
7月にブライアン・ウィルソンが来日します。本当に夢のような出来事で、今からワクワクしてしまいます。
もともと、ツアーが嫌でビーチボーイズの一線から遠ざかった人なのに、そんな人が本格的ツアーをやるなんて......。
この来日がビーチボーイズとしての来日なら、たとえブライアンが参加したとしてもこんなに私の中で盛り上がらなかったと思います。もちろんビーチボーイズが嫌いで言ってるわけではありませんよ。ただ、今のビーチボーイズはもう終ってるバンドなので.....。
弟・カールの死が、大変大きな影響を及ぼしたのでしょう、「今わしが頑張らないつがんばんねん」と思ったかどうかは知りませんが、心身ともに充実しているのでしょうね。最近発売されたビデオを見ても、良い家族に囲まれ、本当に幸せそうです。
そしてまた、彼の新作を聴く私もまた、本当に幸せな気分になれるのです。このHPで何度となく言ってきた「良心」がそうさせるのでしょうか。本当に「良心」のたっぷり詰まったアルバムです。
とにかく、ライブ非常に楽しみにしています。ツアー中に体調をくずして、あるいは「ツアーいやいや病」が出て来日中止という事だけのないように祈っています。これを逃したら二度と見れないような気がするもので。
「BOXもの」の甘い罠 (1999年2月25日) 「BOXもの」ってご存じです?
CD4枚組とか10枚組とか、とにかく何枚もがワンセットになっていて、たいそうな箱に入っている例のヤツです。CDのサイズだけれど、広辞苑なみに分厚いものや、LPサイズの中に行儀よくCDが収まっていたり体裁はさまざまです。内容もそのアーティストのコンプリートコレクションであったり、歴史を振り返るベストものであったり色々です。
価格は大抵1万円前後ですので、おいそれと買うわけにはいかないのですが、妙に購買欲をそそるアイテムであることは確かです。未発表曲を収録したり、限定のオマケをつけたり。特に私の場合、レコードで持ってることがほとんどなので、気軽に聴けるCDでしかも1枚1枚買い直すよりは安くつくしね。ただ、気軽に聴けると言ったけれど、たいそうな箱から出して聴くというのはけっこうおっくうで、買って満足、聴くのは二の次といった傾向になりつつあります。高い買い物だこと。
で、過去に買った「BOXもの」を覚えてる分だけでもあげると....
David Bowie/Sound+Vision+ Velvet Underground Jam/EP Box CSN(Y) Derek and the Dominos Simon&Garfunkel Rod Stewart Byrds Bob Dylan/Bootleg Series Charlie Watts Roxy Music 10cc Stones/Decca時代BOX Beatles/EPcollection Bob Marley Monkees Beach Boys/Capitol Years Beatles/CDBox Elton John Lou Reed Beach Boys/Good Vibrations John Lennon 2種 Led Zeppelin Police Beach Boys/Pet S. Sessions Lovin' Spoonful Deep Purple Who Elvis Presley/50's masters Bobby Womack Elvis Costello Kinks Elvis Presley/60's masters Stiff Record History Carpenters XTC Happy Christmas Box The History of Funk Carol King T.REX Surf Music コンピレーション 70〜89 Hit Heroes Steely Dan Bee Gees Love Ballads 5CDBox Oldies 10CDBox Temptations ABBA
こんなもんかな。
で、今欲しいBOXものがいくつかあるのですが、「高い>買ってもおそらくほとんど聴かない>でも欲しい」の堂々巡り状態です。近所のショップに売ってある、「JAM」「CREAM」「STYLE COUNCIL」「DOORS」「ELVIS 70's masters」のBOXものが欲しいのですが...。
この他にも欲しいのはあるのですが、まずはこのショップのこれらを、返品されるまでに(他の人が買うとは思えないぐらいずっと置いてあるので)買いたいのです。月に1個ずつ買うから返品せずにお取り置きしといてと、たのもうかどうか悩んでいる毎日です。
なぜ今のストーンズに魅力を感じないのか (1999年1月5日) かつてストーンズは私にとって欠かすことのできないバンドでした。内田裕也が「ストーンズ。奴等がくたばったら俺…。」と言っていたのを、その通り!と思っていたのでした。
しかし今はどうでしょう。全然魅力を感じません。あのださださのジャケットの最新ライブ(ストーンズファンのカップル?が写ってるやつね)はもちろんのこと、ブリッジス・トゥ・バビロン(でしたっけ)も買ってません。ラジオなどで聴いてもいませんので、シングル曲ぐらいしか知らないのです。こんな具合ですから当然来日コンサートも行ってません。
いつからこんなふうになってしまったのでしょう。初来日の時には死ぬほど盛り上がって東京ドームまで2回も行ったのに。「スティール〜」や「ヴードゥー〜」の時に嫌になるほど出た12インチシングルも全部買っていたのに。
たしかに過去にもストーンズから離れた時期はありました。人の車の中でとある音楽がかかっており、「これなかなかええやん、誰?」と聞いたらストーンズだったと。流れていた音楽は「ダーティワーク」でした。誰かわからないまでにストーンズから離れていたにもかかわらず、来日騒ぎでストーンズ熱がぶり返して来たのです。しかし今回は長いです。2回目の来日も見にいくわけでもなく、それほど盛り上がりませんでした。「STRIPPED」までは義務的に買っていたけど。
思うに、良い意味での「毒」が無くなるか薄れてしまったのが原因かと思います。かつてのキースはやばかったし、ミックのビジネスマン的要素もそれほど表に出ていなかったし。「絶対ストーンズは日本に来れない」と思っていたものだから、初来日時には最初で最後とばかり必死こいて見に行ったのです。ところがですよ、その後2回も来てるじゃないですか。そのうちベンチャーズみたいに毎年来るんじゃないの。あぁ、ミック・テイラー在籍時のライブ見たかったなぁ〜。
とにかく、ライブはショーアップされすぎて良くない(と、勝手に思ってる)、アルバムのジャケットはダサいのばっかり、メンバーみんな健康そうでへらへら笑ってる、ビル・ワイマンがいない、など不平を言い出したらきりがない。まあ、がんばってやってください。またそのうち私にもストーンズを聴きたくなる時期が来るでしょう。その時はよろしく。
歌詞ってみんな聴いてる? (1998年11月18日) 洋楽の歌詞って当然日本語じゃないですよね。聴いてても部分的にしかわかりません。まあ、歌詞カードでも付いていたらなんとか総意は理解できるけれども、あんまり輸入盤って歌詞カードついてないものね。
そんなわけで、英語力の全くない中学ごろからほとんど洋楽一辺倒だった私は、歌詞を聴かないという癖が身に付いてしまいました。もちろん英語として耳には入って来ますが、頭の中で日本語に訳さず、単語そのままストレートに受け止めていたのです。
そんな癖が身に付いたものだから、日本語の歌を聴いても歌詞が頭に入りません。歌詞を聞こうと思うとそれだけに集中しなければならず、今度はメロディやリズムやアレンジを聴くことができません。最近の日本のヒットチャートの曲もけっこうラジオなんかで聴いたりしますが、ラブソングなのか何なのか知りません。近ごろの歌番組って、歌詞がテロップで出るけれど、けっこう助かってます、あれ。「ああ、こんなこと歌ってたんや」と、思ったり。
ですから、好きな国内アーティストも必然的にアーチスト指向のものになっていくわけですが、最近のチャートを賑わす曲もけっこう音楽的にイケてたりする事が多いと思えるようになってきましたね。バンド物は今も相変わらずマネばっかりやってますが、CHARAあたりから出始めたアルファベットの名前の女性ボーカルの人たち(彼女たちを総称してなんとか言うんですよね)はなかなかよろしい。音楽的に世界に通用するレベルに近づいてきたと思います。また、そういう曲が売れるということは、日本のリスナーも耳が肥えてきたかなと思う今日このごろです。
世間の人はみんな歌詞までしっかり聴いているのだろうか。
ロックLPジャケット展開催〜続報 (1998年9月9日) いよいよジャケット展がせまって来ました。300枚のレコードのセレクトも完了し、後は展示するだけです。で、会場で配布するためのパンフレットにコメントを書いていただきたいと上村氏より依頼があり、このホームページで書いた文章に加筆訂正したものを提出しました。少々長いですが以下にそれを転載します。
======================== 私が初めて買ったLPレコードは宇宙船艦ヤマトだったと記憶している。あるいはスーパーカーのレコードだったかも知れない。いずれにせよ、小学生の時、本屋(!)で買ったものだ。もちろんそれまでにドーナツ盤やソノシートは買ってもらったことがあったし、家には森田健作や黛ジュン、魅惑のスクリーンミュージックなどのLPレコードがあった。
しかし、あの所有欲をそそる大きなサイズに満足したのはヤマトの時がはじめてだったと思う。以降、中学で洋楽に目覚め、高校時代まではおこづかいをためて3ヶ月に1回ぐらいのペースでLPを買っていたものだった。当時それほど音楽知識のなかった私にとって、膨大な数のLPの中から1枚を選ぶのは至難の技であり、それの助けとなったのは友人であり、ステッカーやポスターなどのおまけの存在であった。
例えば、陳列棚一段をぶち抜くほどの枚数が出ていたローリング・ストーンズ。どれが良いかわかる訳もない。で、さんざん悩んで私が買ったのは「Their Satanic Majesties Request」だった。ストーンズに詳しい方は「おお、通やなぁ」などと言うかも知れないが、そんなことはない。廉価版で価格が1600円だったこと(当時の相場は2500円)、ジャケットのステッカーが付いていたことが決め手となっただけのことだ。なんのことはない、他の盤はセカンドプレスだったが、本作のみステッカー付きの初回プレスが売れ残っていたのだ。初めて買ったストーンズのLPが「サタニック〜」という人間も日本では数少ないであろう。
まあ、こんな具合にして、私のレコード棚は徐々に充実していったのであった。大学に入ると、中古レコード店でアルバイトを始めたこともあり、私のコレクションは日を追うごとに増えていった。なにせ、バイト代はほとんどがレコードへと変わっていったのだから…。
そして現在。レコード屋などと便宜上呼ばれているが、巷のショップにレコードが置かれていることはほとんど無い。ひそかにレコードが人気を呼んでいるらしく、日本のアーティストが限定でアナログ盤(レコード)を出すことはあっても、世間一般的にはもう過去のモノというのが常識だ。普通の人ならとっくに処分しているか、プレーヤーがないので聴けないが捨てるのも惜しいので押し入れにしまってあるという人がほとんどだろう。
なのに、なぜ、レコードなのか。なぜ、私はLPを愛しているのか。CDはCDで便利だし、私も両方持っているものは CDで聴いている。レコードのほうが音に丸みがあるとか、人間の耳にやさしいとかなんとか言うがそんなのわからないし、どうでもいい。
私がレコードを好きな一番の理由はレコードジャケットの存在。これに尽きる。個人的には、レコードの「A面」・「B面」・「ジャケット」の3つがそれぞれ同等の価値を持っていると思っている。CDのジャケット(ケースと呼ぶのが正しいと思う)は、味気ないしあのプラスチッキーなところがどうも好きになれない。かといって紙製のジャケットもあるがあれもイマイチ。あのサイズでいくら凝ったデザインをしてもインパクトに欠けるし、凝れば凝るほどみじめに思えてしまう。CDのジャケットを作るデザイナーさんもやりがいがないと思う。
それにくらべLPのジャケット。あれは30センチ四方での偉大なるアートだ。ブルーノートの一連のジャケットが良い例だろう。過去に数多くの名作ジャケットが生み出されて来たし、その内容に劣らないぐらいジャケットが話題を呼んだこともあった。ビートルズのブッチャーカバーやヴェルヴェッツのバナナ(今回のイベントのチラシはこれのパロディとして私が作らせていただきました)、LP末期にもプリンスのヌードジャケットなんてのもあった。CDでジャケットが話題にのぼるってあんまり聞かない。それにLPだとジャケット買いということができた。内容は知らんけどジャケットがあまりにカッコいいんで買ってしまったという経験、みんなあるはず。
で、こんな能書きを碧水ホールの上村氏と話していたら、彼も同じ考えを持っており、このLPジャケットをアートとして一同に紹介できないかと、だいぶ前から思っていたらしい。それじゃあ、俺はレコード提供するわってんで、そこから話はトントン拍子に進み、このロックLPジャケット展を開催するに至った次第。
この展覧会を見に来てくださったあなた、このジャケットの壁をご覧になってどう感じるはあなた次第。あなたの思い出の1枚を見つけて感慨にひたるもよし、新しい発見をするもし、ご自由にお過ごしください。なにかを感じて、その思いを持って帰っていただけると幸いです。P.S. 家にあるLPを処分したいとお考えのあなた、ご一報ください。安価にて(笑)引き取らせていただきます。
======================== と、いったぐあいです。このパンフレットには、上村氏制作の年表(ロックの歴史と当時の世界情勢がわかる労作!)も掲載されています。持ってて損はないと思いますので、ご来場の際にはぜひ入手してください。みなさんのお越しをお待ちしています。
ロックLPジャケット展開催 (1998年7月22日)
1997年9月6日の「レコードのジャケットはいいもんだ」の中でちょこっとふれたレコードジャケット展の詳細が決まりました。
1998年9月19日(土)から27日(日)まで、滋賀県は水口町の碧水ホールにて開催されます。同ホールの上村氏が企画し、レコードを、そしてレコードジャケットを愛する私はすぐさまLP提供に協力することとなりました。チラシのデザイン(左記参照)もさせていただきました。 上村氏曰く、こういった展覧会は数少なく、いつかはやってみたかったということです。
私のホームページを見に来ていただいている方は音楽が好きな方のはずですので、LPジャケットには少なからず思い出があると思います。見に来ていただいてその思い出にひたるも良し、新たな発見をするも良し。ぜひお立ち寄りいただきたいと思います。
最終日の27日には上村氏と私、そして、みなさんにもLPを持参のうえ参加いただき、LPにまつわる話を交していこうと思っています。
詳細は、碧水ホールのホームページでご覧ください。お問い合わせにつきましても碧水ホールまでお願いします。・
ロックLPジャケット展のチラシを見る
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・碧水ホール ボランティア・スタッフのホームページ:トップ
・LPジャケット展詳細への直リンクはこちら
遅ればせながら...カール・ウィルソン追悼 (1998年5月27日)
正直言って、ショックだった。2月6日、ビーチ・ボーイズのメンバーであり、偉大なるブライアン三兄弟の末っ子、カール・ウィルソンが癌で他界した。以前から病魔に冒されていたらしいが、まったく知らなかった。病(やまい)=ブライアンという図式はあったけれど、まさかカールが逝くなんて。
ブライアン=天才肌、デニス=自由奔放人といった二人のイメージが強すぎ、カールはどうしても地味なイメージがついてまわる。しかし、ブライアンがツアーに出ないよと言った時やちょっとイカれた時、あるいはアメリカでぜんぜん売れなくなった時、あるいはメンバー間がぎくしゃくとなった時に、グループをまとめあげたのはまさしくこの人。彼がいなかったらとっくにビーチボーイズは解散してる。
思えば、私の一番好きな時期、「Smiley Smile」から「Surf's Up」の間、一番活躍してるのはカールだった。好きな曲はみんなカールが唄っていた。「Good Vibrations」しかり、「Time to Get Alone」しかり、「Surf's Up」しかり。でもやっぱり一番は「I Can Hear Music」。曲、アレンジ、カールのボーカル、コーラス、どれをとっても一級品の傑作。ロネッツのオリジナルを越えている、と、思う。
虚飾のない、誠実なカールの歌声。天国からあなたの歌は聞こえていますヨ。
ジョン・レノン神話にもの申す (1997年12月6日) 今年もジョン・レノンの命日がやってきます。毎年この時期になると思うのですが、ここ何年かの間、ジョンって妙に美化されているなあと感じるのです。なんか「愛と平和の使者」みたいに祭り上げられてしまって...。たしかにそういう部分もあったけれど、ジョンはものすごく人間臭くて、言うことがコロコロ変わって、カッコ悪いひとだったはずです。
ヨーコとふたりで全裸のアルバムジャケットを作ったり、精神にちょっと異常をきたして治療に励んだり、秘書に手を出してヨーコと別居したものの、ヨーコが忘れられず彼女への思いをぶちまけたごくごく私的なアルバムを作ったりと。そんな部分がぜんぜん表に出てきません、ここ最近。ダイアナさんなんかもそうですが、死んでしまうと美化されるという通例だけではおさまらない何かがあるのかと。
こんなことを書くのは何も、ジョンが嫌いで言っているわけではありません。そういう部分も知っていただきたいと思いますし、ジョンのファンの人は赤裸々で人間臭いジョンが好きなはずなのです。ジョン・レノンって「イマジン」だけの人ではないのです。
命日がやってきて、「ハッピー・クリスマス(戦争は終わった)」が街で流れる頃になると、ついついそう思ってしまうのです...。
ヨーコ・オノって、いったい...(1997年12月6日) さて。もうひとつジョンというかヨーコの話題を。
今年に入って、ヨーコ・オノのアルバムが続々と再発されています。ご多分に漏れず私も、ずっと彼女って嫌いというかよく解らない存在でした。
中3の冬、ラジオで放送禁止となった「KISS KISS KISS」を聴くために「ダブル・ファンタジー」のLPを買おうかどうしようか悩んでいた時、例の事件は起きました。レコード店の店員に「こいつ、ジョンが死んだから買うんだな」と思われるのが嫌だった私は、友人にお金を渡し、彼にレジまで持っていかせました。さらに、帯の「追悼盤」という文字も許せず、そこだけ切り取ってしまいました。今ならそんなこと全然気にしないのですが、当時は子供だったのですね。恥ずかしい話です。
とにかく、「KISS KISS KISS」を聴きました。15歳の私には刺激的ではありましたが、それだけでした。他の彼女の曲にもいまいちピンと来ず、ジョンの曲のじゃまだと思うぐらい。多分、ライブ映像とかのキーキー叫ぶだけのイメージが先入観としてあったのでしょう。あれよりは聴きやすいけどジョンの曲の良さにはかなわなかったのです。
その後10年経って、ジョンの4枚組CDBOXが発売されることとなりました。ジョンの全作品をLPでしか持っていなかった私は、「ダブル・ファンタジー」、「ミルク&ハニー」のジョンの曲だけを曲順そのままに収録していることもあって迷わず買ったのです。ところが聴いてみると何かもの足りない。「ウォッチング・ザ・ホイールズ」の次にはやはり「あなたのエンジェル」が来ないと...。そう、「ダブル・ファンタジー」はあの二人交互のパターンじゃないと駄目だと気付いたのです。25歳になって、私も成長したのでしょう。ヨーコの曲もすんなりと受け入れることが出来ました。
そして現在。彼女の再発CDを買おうかどうか迷っているところです。まずは、友人に「無限の大宇宙」を借りようかな。彼もここで「ダブル・ファンタジー」について同じ様なコメントを寄せています。皆当時はヨーコの曲だけ飛ばして聴いてたんだ。
レコードのジャケットはいいもんだ (1997年9月6日) 最近秘かにレコードが人気を呼んでいるとちょっと聞きましたが、巷のお店ではやっぱりCDが主流。CDはCDで便利だしあれでよいのですが、やっぱり私はレコードのほうを愛しています。レコードのほうが音に丸みがあるとか、人間の耳にやさしいとかなんとか言いますがそんなのわかりません。
私がレコードを好きな一番の理由はレコードジャケットの存在です。個人的には、レコードのA面・B面・ジャケットの3つがそれぞれ同等の価値を持っていると思っています。CDのジャケット(ケースというのが正しいと思う)は、味気ないしあのプラスチッキーなところがどうも好きになれない。かといってデジパックなる紙製のジャケットもあるがあれもイマイチ。CDのジャケットを作るデザイナーさんもやりがいがないと思います。あのサイズでいくら凝ったことをしてもムダ。
それにくらべLPのジャケット。あれは30センチ四方での偉大なるアートです。ブルーノートの一連のジャケットが良い例でしょう。そして、過去に数多くの名作ジャケットが生み出されて来ましたし、その内容に劣らないぐらいジャケットが話題を呼んだこともありました。ビートルズのブッチャーカバーやヴェルヴェッツのバナナ、LP末期にもプリンスのヌードジャケットなんてのもありました。CDでジャケットがどうのこうのってあんまり聞かないよね。それにLPだとジャケット買いということができた。内容は知らんけどジャケットがあまりにカッコいいんで買ってしまったという経験、みんなありますよね?
まあいろいろと言ってきましたが、共感できる人だけがウンウンといってくれればいいです。なんせでかいし、反りに気をつけなくちゃならないし、とにかくうっとうしいもんね。
共感できる人にだけお知らせすると、とあるホールでレコードジャケット展というのが企画されており、私もこれにレコードを提供する予定です。実現しそうになったらまたこのHPでお知らせすると思いますので、期待しないで待っていてください。
イギリスの良心、ロニー・レイン逝く (1997年6月8日)
ロニー・レーン氏(英国のロック・ギタリスト)英国放送協会(BBC)が5日報じたところによると、多発生硬化症のため米コロラド州の自宅で死去、51歳。1965年、ロック・グループ「スモール・フェイセズ」を創設。69年に同グループを解散して間もなく、グループ名を「フェイセズ」と改め、後にスーパースターとなるロック歌手のロッド・スチュワートも加わった。<平成9年6月7日付京都新聞より>
難病と戦っていたロニーが遂に逝ってしまった。 スモール・フェイセズ再評価の高まる中だけに非常に残念。ボーカルのスティーヴ・マリオットも寝煙草で焼死という悲しい死を遂げており、スモール・フェイセズの2枚看板とも、この世を去ってしまった。
ロニー様、あなたの鼻声だけど味のあるボーカルが大好きでした。車椅子での来日公演、残念ながら行けなかったのでせめて新作でも...と待っていたのですが。心温まる名作「Anymore for Anymore」を聴きながら、慎んでご冥福をお祈り致します。