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H.V.S通信 vol.28 1999年(平成11年)6月
あみの 試写会日記 5月18日
その1
えっ!? 「ラン・ローラ・ラン」は
ドイツ版「梅宮アンナと羽賀研二」ストーリー!?
この作品の配給元コムストックの方からこんなお話を聞いた。
「この映画って…ドイツ版羽賀研二と梅宮アンナ物語なのよ」
えー!?何!?折りしも二人の破局騒動で世間が沸いていた頃のこと。あわててプレスシートを観ようとすると「映画を観終わるまで見ない方がいいわよ…」 とのこと。が、こらえ性のない私、早速帰りの地下鉄の中、プレスシートを開けると…。
「98年8月公開と同時に話題になり、この映画を真似たポスターを作った候補者が見事ベルリン市長に当選し、街にはきれいな赤毛のローラを真似て、髪を赤くした女の子たちがうようよ…赤い髪の染料のシェアが50%伸び…」おー、何だかスゴそうな映画…。
舞台はベルリン・夏。11:40am。ローラの元にかかってきた1本の電話から物語は始まる。「助けてくれ。俺は殺される。ボスに渡す金、10万マルクを地下鉄に置き忘れた!12時に会うことになっている。それまでに金を作らないと…」 電話の相手は恋人のマニ。ローラは時計を見た。あと20分。果たして彼女は金を手に入れ、恋人を救うことが出来るのか?走れ、ローラ、走れ!!!…というのが映画の主なストーリー。お金に困る恋人を救おうとする彼女。なるほど、確かにどこかで聞いた話だなぁ。
で、実際に観た感想は?というと、予想と違わぬ面白さ!でした。
試写会にはトム・ティグワ監督も参加しており、こんなコメントを。
「人生はドミノ。ほんの小さなことからいろいろな連鎖反応が起きて、大きな変化につながっていく。その"もしも…"を映像で効果的に見せるための"しかけ"を考えた。ほんの20分のことを映画全体で描き、その一方で、通りすがりの人の一生を3秒で表すことで、速度を対比させて、この物語が時間を超越することを表現した」この"しかけ"の意味は映画を観た後ならすご〜くよくわかる。
あちこちに用意された監督の"しかけ"と、全編に使われているテクノと映像との融合、加速していくスピード感。どれも十分堪能した81分であった。気が付くとローラと一緒に走っている気分に。
加えて昨年、毎年ベルリンで行われる世界最大のテクノのお祭りラブパレードに参加したことを思い出し、ほんのり懐かし気分。7月東京公開のこの映画、日本でも「走れ!ローラ、走れ」が声高に叫ばれる夏を、私はしっかりと予感したのでした。
(網本 友加・HVS在東京)
上村学芸員に調べてもらったところでは、関西での公開予定は8月下旬から梅田ガーデンシネマ、京都朝日シネマ、三宮アサヒシネマ(編集)
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