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H.V.S通信 vol.42 2001年(平成13年)1月



vol.42-61
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 声明は ゴスペルか?



 (・・「馬馬虎虎」の)前号でご紹介した碧水ホールのイベント。「浄土声明とインド音楽とインドダンス」を見たよ〜。
 「浄土声明とインド音楽とインドダンス」だなんて、どんなだろ?まぁ、碧水さん企画だから期待は出来よう。そう思って今回は少し早めに出かけました。ロビーに開演前に着くなぞ初めてである。早速当日券を買ってぶらぶらと見物。
 「ん? うわぁ〜、馬馬虎虎の1〜4号までがまだあるぅ。あれ?でも5号が置いてないわ?送ったのに?」なぁ〜んてことを考えながら時間を潰してました。

 さて、会場に入るとあら、しゃれてる。舞台は低めに設定され、両端に椅子が並んでいる。真ん中席はなんとお座布団。いかにもいかにもって感じですなぁ。エンターティメントってやはり内容だけじゃないよね。会場の設定にも気を配るなんておサスガと言えましょう。
 どんな風に始まるのかしら?どうコラボレイトされるんだ?なんせ想像がつかない。わくわくしながら待っていると、ふとライトが暗くなり、読経が聞こえる。お揃いの山吹色の袈裟に身を包んだお坊さんが8人登場。龍笛、篳篥、笙等々を演奏しつつお経を読む。お経を読みつつ舞台へ向かう。なんと言うか不思議な感じです。
 お経は全部で8種類(?)読まれ、私が聞き取れたのは「南無阿弥陀仏」くらい。内容はわからないが、集中して聞けたって感じかな。後、「さんが〜」というところでなにやらヒラヒラ投げていたけどあれはなんだったんでしょーか?お坊さんによっては銭平よろしくシュッパ、シュッパと風を切りながらお札(?ちがうな)のようなものを投げてました。後で拾ってみたところ「鳳凰」の絵が描いてあった。これで思い出したんだが、遙かなヒマラヤにある国チベットというところはやはり仏教国で、その信仰は日常生活に溶け込んでいる。ここでは「風の馬=ルンタ」が天を駆けて人々に教えを知らせるとされ、人々は旅の途中、山の峠を越える時にはこの「ルンタ」を描いた紙を天に向かって撒くそうな。「ラージャロー!」と叫んでは峠から「ルンタ」を撒くらしい。知り合いのお坊さん曰く、どんなに悪天候でも長距離バスの
窓を開けて峠を通るそうで、寒くてたまらなかったとさ(笑)。
 日本も同じ仏教国。まぁ、世界基準から言えば信仰心は薄いけどね。「さんが〜」でヒラヒラと「ラージャロー」でひらひらにふと共通点を見た思いである。しかし、チベットの ことはちと興味もあって知っているが、日本の仏教のことを知らないなんて、なんか足下を固めていない気がするなぁ。
 さて、お坊さん方が退場されると今度は「インド舞踊」の時間。サリーを着たきれいな女の人が登場します。舞踏家ダヤ・トミコさん。彼女が表現するのは「マタパラシャクティー=母性の至高のエネルギー」であるそうな。地・水・火・風・空を踊るという。最初にその5元素の型を見せてくれました。どれもなるほどと思える動きで、「ん〜、パントマイム的だけど神秘的」。踊りをしている方はどうしてあんなにも身体が柔らかいのだろうか?一本足でなが〜い時間立ったりなって私は出んぞ!お衣装も素晴らしいです。踊りについて、私はシロート(勿論だ)なのであまり桑悪しくわからないけど、先の浄土声明が「集中して聞く」ならこちらは「元気を放つ」という感じで対照的でした。なかなか良いバランスですね。
 最後の「インド音楽」も素敵だったけど、やはりメインの「浄土声明とインドダンスとインド音楽」が同じ舞台に上がった時が一番見応えがありました。「静かな声明」と「動きのある舞踏」と「全体に流れる音楽」って実にマッチしますねぇ。正直、こんなに集中して舞台を見たのは久しぶりです。
 終了時間もややずれ込み、「あぁ、電車がなくなる〜」とどっかで思いつつも最後の拍手までいてしまった。いや〜、時間的に余裕があればアンコールしたかったですねぇ。
 終演後、速攻で会場をでましたが、あまりに集中して聴いたせいか体中のエネルギーが抜けたみたいになってしまった。それでいて、頭はすっきりクリアなんだから不思議なモンです。
 最後に一つのギモンが残る。「声明」ってお経だよね。お経で音楽的なんだからつまりは「和製ゴスペル」ってこと?
(ようしゃん)
声明は
ゴスペルか?

あじゃもじゃ滋賀版改め
「馬馬虎虎(まぁまぁふうふう)」
Vol6平成13年1月発行..から



 同紙は滋賀県を中心とするアジア
関連の催し物を掲載している手作り
のミニコミ、碧水ホールの情報コー
ナーの常連です。


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