H.V.S通信 vol.67 2004年(平成16年)1月
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![]() HVS通信 vol.67 2004年(平成16年)1月 ティルトクンチョノはじめての演奏会(中村道男)...1 伊福部昭卒寿記念祭(上村秀裕)...2 碧水ホールのもよおし...2 編集・発行 碧水ホールボランティアスタッフ 滋賀県甲賀郡水口町水口5671 郵便番号 528-0005 電話 0748-63-2006 ファックス 0748-63-0752 e-mail michio@jungle.or.jp ホームページ http://www.jungle.or.jp/hvs/ 碧水ホールの公式ホームページ http://www.town.minakuchi.siga.jp/hekisuihall/ さあ、クラシックファンをはじめよう。 そこには人々を励ましたり、癒したり、考えを深めたりする様々なノウハウと、市民的な活動に献身する指導者と、古典から現代にいたる膨大な優れた楽曲があります。 ■3/18(木)19:00開演 幸田聡子 ヴァイオリンコンサート ピアノ 藤満健 前売り2000円 当日 2500円 1月20日(火)発売開始 (前売はチケットぴあでも取り扱い Pコード 163-824 全国のセブンイレブン、ファミリーマートでも発券) タルティーニ:悪魔のトリルr 美空ひばり名曲集より:川の流れのように・愛燦燦、サラサーテ:チゴイネルワイゼン、他 |
ティルトクンチョノ はじめての演奏会 2004年2月8日(日)午後3時開演 |
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碧水ホールにはじめてガムランの音色が響いたのは2001年9月、「ガムランによって何が可能なのか」と言うタイトルで、マルガサリ(中川真主宰)による伝統曲と舞踊、そしてスンドラタリ「桃太郎第1場」(作曲:野村誠)が上演されました。 目にも艶やかなジャワガムラン楽器群が碧水ホールへ届いたのはそれから半年後、2002年の春のことでした。 ワークショップなどの催しを経て、この楽器群を使って演奏を試みるというグループ(碧水ホールガムラン教室)が発足したのはその年の7月 。指導は中川真さん、家高洋さんをはじめマルガサリのメンバーの方々。 9月の碧水ホールのガムランコンサート、インドネシア音楽大学の教授達との合同公演「千の産屋・イザナギ、イザナミの物語」では、碧水ホールのガムランセットを使用。その裏方を手伝いつつ、パニョトさん(インドネシア芸術大学 )の指導を受けます。 「ティルトクンチョノ」と命名されたのはバニョトさんが帰国してしばらくしてから、10月ごろのことだったと思います。「ティルト」は水、「クンチョノ」は金のきらめきの意。実は「サザナミ」のイメージをジャワに伝えて考えてもらったもの。一緒に10ページを越える手書きの楽譜、練習計画が届けられました。 http://www.jungle.or.jp/sazanami/gamelan/ が開設されたのもこのころ。 2003年6月には「学びの体験ひろば(同実行委員会・水口町教育委員会主催」で、ティルトクンチョノははじめての演奏を披露しています。このときすでに伝統曲に加えて創作「和尚さんと狸」がプログラムに含まれていました。 2003年8月、「音楽ノ未来・野村誠の世界」では同時に開かれたワークショップでの「しょうぎ作曲」とともに伝説の作品「踊れ!ベートーヴェン」の再演が話題をあつめました。ティルトクンチョノのメンバーの何人かがこの演奏に参加しています。野村さんはこのホールの環境 |
を大変楽しんでくださったようです。 9月のガムランコンサート「桃太郎第2場、第3場」(マルガサリ+野村誠、林加奈)に参加したパバンバンさん(インドネシア芸術大学)にも、日本滞在中、毎週、練習会に来ていただきました。 はじめて楽器に触れてから1年半、振り返ればたくさんの出会いと、たくさんの新鮮なアーツ体験でした。短い期間に、随分遠くまで来てしまった感じがします。 ガムランは基本的に「口伝」であるとされています。簡単な楽譜はありますが、基本的には見て習うことになります。当然覚えきれないのでMDで録音という現代的な方法やノートが活躍しています。しかしまた、ガムランは「常に変容するもの」でもあります。 音楽を理解するのに音楽だけでは足りないのは明らかで、生活や文化を知ることも大切です。「ガムラン的教養」と名付けています。 今回のコンサートでは、ルー・ハリソンの「ヴァイオリンとチェロとガムランのための二重協奏曲」というプログラムは大きな収穫となるでしょう。 ヴァイオリンに立花礼子さん、チェロに野田祐子さんを迎え、マルガサリ、スカルムラティそれぞれのガムランアンサンブルから指導と助っ人を仰ぎ、また、創作「和尚さんと狸」では人形劇「いちごじゃむ」の皆さんのご協力を得ています。 外は雪もふる季節なのですけれど、碧水ホールではガムランの豊かな響き、しかも現代音楽の作品。きっと心に残るコンサートになるでしょう。どうぞ見に来てください。 (中村道男/碧水ホール館長) |
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絵画/書/写真/彫塑・工芸/映像 2004年3月6日(土)〜13日(土)9:30〜17:00 3月6日(土)は20:00まで開館、8日(月)休館 募集期間2月7日(土)〜20日(金) 搬入2月28日(土)9:30〜12:00 搬出3月14日(日)9:30〜12:00 |
伊福部昭 卒寿記念祭 |
碧水ホールのもよおし 2004 ■1/24、25(土.日)11:00- 優秀映画鑑賞会 -巨匠 成瀬巳喜男と内田吐夢- 1日券 500円(前売当日共) 全作品35ミリフィルム 24日(土)11:00- 血槍富士 片岡千恵蔵主演 13:10- 飢餓海峡 三国連太郎主演 25日(日)11:00- 浮雲 高峰秀子、森雅之主演 13:40- おかあさん 田中絹代主演 ■1/31、2/1(土、日)11:30- 聖なる映画作家 カール・ドライヤー特集 フリーパス前売1600円(当日2000円) 1回券500円(当日券のみ) 全作品35ミリフィルム 日本語字幕付 1/31(土)11:30-怒りの日 1943年 13:40-吸血鬼 1930-31 15:10-裁かるるジャンヌ 1927年 『みちしたの音楽』JAZZ UNITの生演奏付上映 2/1(日) 11:30-裁かるるジャンヌ(サイレントで上映)13:20-ゲアトルーズ 1964年 15:40-奇跡 1954年 ■2/7、8(土、日) ガムランワークショップ ジャワのガムランの演奏体験 a組 2004年2月7日(土)13:00〜15:00 b組 8日(日)10:00〜12:00 定員 各組20名 指導 中川真(大阪市立大学教授) マルガサリのメンバー 参加費 1000円 2004年1月20日到着分までを抽選。以降、空きがある場合は先着順 ■2/8(日)15:00開演 ティルト クンチョノ はじめての演奏会 チケット 500円(前売、当日共) 中学生以下無料 出演 ジャワガムランアンサンブル ティルト クンチョノ ヴァイオリン立花礼子 チェロ野田祐子 プログラム ルー・ハリソンヴァイオリンとチェロとガムランのための二重協奏曲 他 ■3/6(土)-13(土) 9:30-17:00 月曜休館 第17回水口町美術展 3/6は20:00まで ■3/18(木)19:00開演 幸田聡子ヴァイオリンコンサート ピアノ 藤満健 前売り2000円 当日 2500円 1月20日(火)発売開始 (前売はチケットぴあでも取り扱い Pコード 163-824 全国のセブンイレブン、ファミリーマートでも発券) タルティーニ:悪魔のトリル 美空ひばり名曲集より:川の流れのように・愛燦燦、サラサーテ:チゴイネルワイゼン 他 |
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その1:木部与巴仁講演会 伊福部昭・時代を超えた音楽 2/28(土)14:00開演 その2:野坂惠子演奏会 伊福部昭の筝曲宇宙 2/29(日)18:30開演 会場=北島町立図書館・創世ホール (徳島県北島町)TEL.088-698-1100 徳島県北島町にある創世ホールは、図書館と併設された文化ホールで、ずいぶん前から交流を深めています。ホールの感じや、規模、設備なども碧水ホールよく似ていて、一層親近感がわいて注目しつづけています。職員の小西昌幸さんは、当ホールのシンポジウムでパネラーとしてお招きしたこともある方で、企画力と活躍ぶりは、いろんなところから耳に入ってきます。創世ホールの催し案内が届いて封を開けると、毎回驚かされ、しばらく眺めることになるのですが、今回もすごい催し情報が入っていましたので、ここにご紹介します。 音楽家、伊福部昭(いふくべ あきら)といえば、まずは『ゴジラ』のあの音楽を生んだ人としてピンときますが、実はたいへん幅広いジャンルで映画の音楽をつくっておられます。そして、ものすごく多作な人です。碧水ホールで過去に上映した映画リストの中から探してみますと、たとえば昨年11月末に開催した企画上映「湖国ゆかりの映画選」。その中で上映した『反逆児』(1961年/監督・脚本=伊藤大輔/主演=中村錦之助)の音楽が伊福部昭によるものでしたし、昨年1月の「優秀映画鑑賞会〜銀幕に生きる映画スター達」で上映した『悪名』(1961年/田中徳三監督/主演=勝新太郎、田宮二郎)の音楽も伊福部でした。こういう娯楽作品においてもきちんとした仕事をされているんですね。芥川也寸志、黛敏郎、三木稔といった音楽家を育てた人でもありますが、何よりも驚かされるのは、伊福部昭は今年の5月に90歳・卒寿を迎えようとしていることです。 |
その卒寿を記念する催しとして、作家の木 部与巴仁(きべ よはに)氏の講演会と、「筝で伊福部音楽を聴く演奏会」が企画され、二日間のリレーで開催されることになったのです。 伊福部ワールドとなる二日間、わたしは、最後となる水口町美術展の作品搬入日と審査日なので、あいにくかけつけることができませんが、いただいたチラシを見ていると、ただならぬ熱気を帯び、泊りがけの遠方客も多数現れる吸引力のある催しになろうかと思います。北島町は徳島市や鳴門市に近いエリアにあり、明石大橋ができてからは本州とのアクセスがずいぶん早く、便利になりました。興味が湧いて創世ホールにかけつけようと決められた方は是非お気をつけてお出かけください。そして、催しの様子もリポートしていただければ幸いです。 最後に北島町創世ホールのホームページ・アドレスを紹介しておきます。 http://www.infoeddy.ne.jp/kitajima/hole/index.html 文化ジャーナルというコラムがずらっとありまして、豊富なバックナンバーから、創世ホールと小西さんの仕事ぶりが確認できます。 また、小西さんは、伝説のインディーズ雑誌「ハードスタッフ」の発行者でもおられますが、新刊の計画がなされているようです。前号が1993年でしたから、実現すれば実に10年ぶりの復活となります。こちらの方も楽しみです。新しい情報が入りましたら紹介したいと思います。 (上村秀裕/碧水ホール学芸員) ![]() |