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H.V.S通信 vol.70 2004年(平成16年)7月 home




HVS通信 vol.70
2004年(平成16年)7月



宮治しずこ展(井上陽平)...1
ワイズマン監督 日本未公開作『ミサイル』  
同時通訳付上映プロジェクト 進行中!(上村秀裕)...1

心意気に3000円(井上陽平)...2...2
カタカナ語解説2「リハーサル」...2
「れいかる」って知ってる?(ナカムラミチオ)...2

 
編集・発行
碧水ホールボランティアスタッフ
   滋賀県甲賀郡水口町水口5671
郵便番号 528-0005
電話 0748-63-2006
ファックス 0748-63-0752
e-mail michio@jungle.or.jp
ホームページ http://www.jungle.or.jp/hvs/
碧水ホールの公式ホームページ
http://www.town.minakuchi.siga.jp/hekisuihall/



幸田聡子ヴァイオリン
山本彩子チェロデュオコンサート
2004年7月7日(水)午後7時30分開演
碧水ホールロビーで
チケット 前売1,000円 当日1,500円
プログラム ラベル:ヴァイオリンとチェロのためのソナタバッハ:無伴奏ヴァイオリン組曲より/他
主催:サザナミ記念アンサンブル 
協力:碧水ホール

サザナミ記念アンサンブルのホームページに詳しいご案内
幸田聡子・山本彩子デュオコンサート go→ -----------------
音楽ノ未来・野村誠の世界 ●ワークショップ
 申込受付中 定員まであと僅かです。
出演者とともに音楽や劇を創り上げる体験が出来ます。野村誠(作曲家)、柏木陽(俳優)がご案内役。子どもも大人も参加できます。
7月24,25日(土-日)13:00-17:00
 28,29,30日(水-金)18:00-21:00
7月31日(土)リハーサル、8月1日(日)本番にも御参加いただきます。
●参加費 大人\2000 小学生 \1000
●申し込み方法 郵送、ファックス、e-メールいずれでも受け付けます。
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ガムランワークショップ
指導:中川真・マルガサリ
9月11日(土)午前10時から、初めての人向け演奏体験。7月7日(水)受付開始
十五年目の総虫干し
宮治しずこ個展

8月5日(木)13:30-16:00
  6日(金)9:00-16:00
  7日(土)9:00-17:00
  碧水ホール展示コーナー

 奇をてらうのは好きじゃない。王道が気持ちいい。音楽なら歌もの3分。小 説なら純文学中編。美術なら写実的なしっかりした絵。人間なら真面目で堅実 な人。正しくて、ストレート。そういうのがやっぱり好きなのだ。
 でもそれだけじゃ物足りないのである。ありきたりはいやなのだ。音楽なら あっと驚くサビ。小説なら予想外のラスト。美術ならどこかが破綻している線 や色。人間なら実はとぼけて深い人。少しヘンテコで、ゆがんでる。そういう のじゃないと響かないのだ。
 しずこさんの作品は王道にしてゆがんでる。安心できるが安閑とはさせな い。写実に徹した絵のモデルはゴミステーション。美しい風景画からの端っこ がめくれている?の箱に丁寧にリボンを書きつける。専門的なことは知らな くても楽しい。楽しいけれど専門的に見てもいい。本人は別に自慢もしない が、いくつか賞も取っている。
 今回はそんなしずこさんの作品を一度並べてみようと思っている。高校生、 大学生、そして社会人の現在に至るほぼ全作品だ。もちろん王道な人なので、 仕事に全力を尽くしてきた社会人の作品は少なく、学生の時の作品が多い。育 児休暇中の現在は全く作品がない。それでも古さは感じないはずだ。そんなヤ ワな感性の人じゃない。
 展示は8月5日から7日までの3日間。題して『十五年目の総虫干し』。できる だけ多くの人に見てもらえたらと思う。そして、「またいつか絵筆を握って よ」と、私と同じセリフを彼女に伝えてもらえたら最高だ。
 (井上陽平/HVS(ダンナです))



フレデリック・ワイズマン監督 日本未公開作『ミサイル』
日本語同時通訳付上映プロジェクト 準備進行中!


 8月28日(土)から、アメリカのドキュメンタリー映画監督、フレデリック・ワイズマンの特集上映を開催します。碧水ホールがワイズマン監督の特集を組むのは、2000年、2002年に続いて、これが3回目です。ワイズマンには現在34本の監督作品がありますが、そのうち、当館では17作品を上映してきました。今回は、11作品の上映を予定しており、内、初めて当館が上映するのは9作品。その中に、日本未公開作「ミサイル」があります。
 この映画、実は日本語の字幕が入っていません。 日本語字幕が無くても、鑑賞にあまり影響が無い場合もあります。たとえば、アニメーション作品とかバスター・キートンのサイレント短編喜劇などは字幕無しで上映したことがありました。しかし、今回は言葉が多い映画です。さて、どうしようかといろいろ検討した結果、映画は英語なので、まず日本語に訳し、その台本を朗読して、観客の皆様にはFM電波でその音声をお届けしようということになりました。そのような鑑賞方法を国際映画祭で経験したこともありました。
 英語から日本語への翻訳は、多くの方々の協力を得ることができました。翻訳には碧水ホール・ボランティアスタッフ、英語専門で参加してくれるエキストラ・ボランティア、呼びかけによる有志の方々があたっています。英語ができる方々でも、映画のなかの言葉を翻訳するのは、誰もが初めてですが、さまざまな意見交換の末、ようやく、作業はひと山超えようとしています。台本が完成したら、それを朗読し、録音していきます。
 1987年製作の映画『ミサイル』は、ミサイル発射ができる人材を育てる訓練校の模様を見せてくれる映画です。そんな映画がおもしろいのか?と問われれば、これが実に興味深くおもしろい。同年作られたスタンリー・キューブリックの『フルメタル・ジャケット』や、近年話題になったドキュメンタリー映画『ボウリング・フォー・コロンバイン』などと比較して見るのもおもしろいかもしれません。
 映画は講議を中心に展開していきます。その模様を観るわたしたちは、まるで授業参観に来たような気分になるかもしれません。ワイズマンは「ドラマ的要素がなければ映画ではない」といいます。ドキュメンタリー映画『ミサイル』には、はたしてどんなドラマがあるのか。そのために、どこまで観客の皆様に映画に集中していただける上映となるか。
 映画は視覚芸術でもありますが、今回の『ミサイル』に関しては、耳で映画を愉しむこともできます。どうぞご期待ください。
(上村秀裕/碧水ホール学芸員)

フレデリック・ワイズマン映画祭2004
8/28(土)〜29(日)、9/4(土)〜5(日) 4日間開催
入場券の前売は7月下旬から発売
スケジュール等の詳細は、7月下旬から
ホームページ、チラシ等で公開

心意気に3000円
 ウルフルズ『ええねん』には胸躍りました。勘違いを含んでいることをうす うす感じている上での自信、実現しない不安を抱えたままの野望、ファッショ ン性からは見放されたところでつづられる恋心...。不敵に笑う気弱な男が 叫びながらすすり泣き、打ちのめされながら大股で歩き、あまりに高い理想と 必要以上に厳しい現実に板挟みになりながら、後悔しつつも前進しようとす る。才能なくても、ふられ続けても、思うようにいかなくても、やらなしゃあ ない哀しみ。そしてどうせしゃあないのなら一発派手にやってやるぜ、という 決意。そんなごちゃ混ぜの感情を「心意気」というこのバンド唯一にして最強 の武器で手巻きにして無防備に差し出す。デビュー以来ウルフルズの魅力はそ こにあったと思いますが、今回はその勢いがハンパじゃありません。
 精神疾患を患っていたベースのジョン・B・チョッパーが復帰したことも大 きな理由でしょう。彼らにとってバンドはよりよい音を作りあげる「プロジェ クト」なんかではなかった。少しくさいけど「仲間」「同志」だったのだと思 います。それを「当たり前やん」と言える肝をもっている人が今、どれだけい るんでしょうか。とにかく「元気」とか「疾走感のある」なんかじゃ説明しき れない猛烈さ。それにのせられて自分の様々な感情までもあふれ出てしまって 整理がつきません。
とまぁえらそうに一席ぶっているわけですが、じゃぁCDを何回聴いたのか と言われたら威張れる回数ではありません。彼らのアルバムに限らず、5年前 と比べたら音楽そのものを聴く時間はガタ減り状態。家でも車でも一番多い状 態は無音。むしろラジオやCDが流れたら意図的に消すことも多くなりまし た。でも、CDは買うのです。
 今私にとって、CDを購入する最大の理由は「心意気を感じるため」です。 欲しいのは美しい旋律でもなければきらびやかなアレンジでもない。もはや 「才能やセンス」でさえない。その人が持っている決意や興奮や喜怒哀楽が届 けばそれでOK。そしてそれに自分のどこかが共振しはじめたら、そのCDは 自分にとっては大傑作。奴らの心意気に「買う」という行為で応える。そして 聴いたあとで、なんか少し、腕立て伏せでもギターを弾くのでもいいから何か やってみる。その繰り返しが自分にとってはロックンロール。今、改めて思い ます。ロックンロールはそういうものだった。理屈じゃないんや、ということ をかき鳴らす音楽だったのだと。それが3000円で手に入るなんて、最高だ!
 愛妻リンダさんが亡くなって一発目、オールドタイムなロックンロールだけ に集中したポール・マッカートニー『Run devil run』、「俺はロックの神様 に選ばれた覚えはないけれど、俺はロックを選んだという自信はあるよ」とい うインタビューにやられて即CD屋に走った記憶のあるギターウルフ『ジェッ トジェネレーション』、もはや前人未踏の平野に立っているとしか思えない音 で、本人達の意図とは関係ないところで改めて孤高の意味を感じたエレファン トカシマシ『扉』・・・。曲の粒とか、ヒットしたとか、もはやどうでもい い。これらの作品は「心意気」が私にダイレクトに伝わり、それに応えたい、 と思わせた貴重な証人です。
 これからもしばらくこの調子は続きそうです。もしかしたら「買って、1回 聴いて、次の日に何かして、それっきり」なんてCDが出る可能性がありま す。いや、もしかしたら「買って、ジャケット見て、次の日に何かして、そ れっきり」なんていうこともあるかもしれません。ずっと昔、浅田彰さんは 「本屋にいって本の背が輝いているように見えて、それを手に取った時点で読 書は完結する」みたいなことを言っていた気がしますが、それに近いのかもし れない。昔よりずっと行く回数は減ったけれど、昔よりずっと得る情報は減っ たけれど、またCD屋に行こう。そして払おう。奴らの心意気に3000円。 ということで、よろしく。
(陽平 /HVS)
カタカナ語解説2
『リハーサル』 
rehearsal (劇・演奏会などの)リハーサル、下げいこ、予行演習(ニューホライズン2002年版)・・・・

 国立国語研究所は「メセナ」の「言い換えを断念」(6/30朝日新聞他各紙)しました。「リハーサル」は言い換えの提案もされてなくて、それなりに通用するということでしょう。
 訳語の「予行演習」って軍事作戦みたいですねえ。「下げいこ」というのもホール関係者の間では何か違うようで落ち着きません。
 クラシックの演奏会では、大抵の場合、あらかじめプログラムの全部を演奏して、その響き具合を確かめ、奏法を修正したりします。会場も楽器の一部分なのです。
 リハーサルはとっても大切。そして、本番にいたるスケジュール(また、カタカナ!)をこなして行く忙しい時間帯に行われます。このときまでに「練習」は終わっておいてね、というのがホールスタッフの心からのお願い。(中村)
「れいかる」って
 知ってる?


(財)滋賀県文化振興事業団の発行する「湖国文化情報」。発行は公称11万部、季刊。昨年あたりまでは全県下に新聞折り込みで配布されていました。現在は、関係施設に「布置」。
 県内の文化的な催しや、ホールの公演情報が掲載されています。その表紙にいよいよ「碧水ホール」が登場しました。ぜひお読みください。写真は取材時に撮影した、もう一枚を提供していただいたもの。甲賀市誕生まであと90日。

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ワイズマン監督 日本未公開作『ミサイル』  
同時通訳付上映プロジェクト 進行中!(上村秀裕)...1

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2004年7月6日から