hekisui Hall volunteer staff original 1995
Home page for all concert goers and movie goers

H.V.S通信 vol.73  2004年(平成16年)12月 home




HVS通信 vol.73
2004年(平成16年)12月



タイ・ホアヒン(上原秀格)..1
『火火』いよいよ完成・・・(上村秀裕)...2
ナツメロ世代(minami)....2
コンサート情報....2


編集・発行
碧水ホールボランティアスタッフ
   滋賀県甲賀市水口町水口5671
郵便番号 528-0005
電話 0748-63-2006
ファックス 0748-63-0752
e-mail michio@jungle.or.jp
ホームページ http://www.jungle.or.jp/hvs/
碧水ホールの公式ホームページ
http://www.city.koka.siga.jp/hekisuihall/



優秀映画鑑賞会
黒澤明と木下恵介
 全作品35mmフィルム
1/22[土]
 10:00〜11:28 羅生門
 12:20〜14:16 日本の悲劇
 14:30〜17:09 喜びも悲しみも幾歳月
1/23[日]
 10:00〜12:39 喜びも悲しみも幾歳月
 13:20〜14:48 羅生門
 15:10〜16:48 酔いどれ天使


喜びも悲しみも幾歳月1957年(昭和32年)松竹

ガムランワークショップ
内容 初めての人を対象にした
   ジャワガムラン演奏体験
日時 a組 2005年3月5日(土)13時〜
   b組      6日(日)10時〜
参加申し込み締め切り 2005年2月1日到着分までを抽選。以降、空きがある場合は先着順に受け付け。
タイ・ホアヒン
 


 タイに来て一ヶ月が過ぎようとしていた。
どこに行っても変わらないのは、行く先々の日常がただそこにあるということ。
僕はそれをカメラに収めたいと思っていた。アジアの日常を切り取ったアルバムを作りたいと思っていた。
しかし、いざとなるとレンズを向けることをためらってしまった。彼らを見せ物扱いしているような後ろめたい気になるのだ。彼らの日常に埋没した一風景でありたいという思いと、旅行者として写真を撮りたいという相矛盾した気持ちに揺れて、釈然としない日々が続いた。

ホアヒンはかつて王室リゾートとして栄えた地だが、今はプーケットやパタヤーにその座を譲り、寂れたリゾート地へと様変わりしている。
ビーチチェアーに一日寝そべって久々に開放感を味わった後、タイ・マレーシア国境へ向かうため荷物をまとめバスターミナルに向かった。
タイではバスが時刻通りに出発することはまずあり得ない。
この日も待てども待てどもバスが来ない。
ベンチで砂ぼこりを被りながら待ちぼうけしていると、前の席におじいさんと孫の小さな女の子が座った。おじいさんのひざに乗っかったその女の子は後ろに座った僕を見るなり顔をしかめておじいさんの陰に隠れた。見慣れぬ日本人に驚いたのだろうか。おじいさんは僕に気付いて「イープン、イープン」と笑いながら孫に言い聞かせた。
「イープン」とはタイ語で「日本人」の意味だ。
笑顔を作ってご機嫌を取ろうとしたが、顔を覗かせ目が合うなりまた引っ込んでしまった。おじいさんはそんな孫を笑顔であやしている。
僕はこの微笑ましい二人を写真に撮りたいと思ったが、やはりカメラを向けることをためらってしまった。

いつまで経ってもバスは来ない。切符売り場に行ってバスはいつ来るのか聞きに行った。あと30分だと言うが、彼らは決まって「About」と意地悪そうに付け加える。 たばこを一本吸ってもとの席に戻ると、一台のバスが出発するのが見えた。もしやこのバスではないかと近くにいた係員に聞くと「これだ、これだ」という。あわてて追いかけたがあっという間にバスは視界から消えていった。係員が無線で呼び戻そうとしてくれたが、バスは戻っては来なかった。次のバスの時刻を聞くと、今のバスが今日の最終便だという。
やむなくホアヒンにもう一泊する羽目になった。

ホアヒンビーチに逆戻りし、日が暮れるまで海岸に転がる大きな岩の上に腰掛け、時間を潰した。「ホアヒン」とは「大きな岩」という意味らしい。
この時間帯になるとリゾート客もまばらになり地元の人々が海岸に集まってくる。
その中に一人、中年の女性が波打ち際の大きな岩にもたれかかり、サンダルを脱いでうち寄せる波に足をつけていた。腕を組んで、じっと目をつむっている。静かに日が暮れるのを待っているかのようだ。僕はしばらく海を眺めつつ、その女性を見ていた。
一向に彼女は目を開ける気配がない。いったい何をしているのだろう。毎日夕暮れ時になると一人でここにやってくるのだろうか。目をつむって何を思っているのだろう。子供はいないのだろうか。夕食の準備をしなくていいのだろうか。もしや夫を亡くした未亡人ではなかろうか・・・。

ずっと目をつむったままだ。
そっとカメラを向け、シャッターを切った。
シャッター音がやけに大きく響いて、あわててカメラを隠し目を伏せた。
(上原秀格/HVS)
原稿をお寄せください。自分の活動やイベントの紹介も可。HVS通信はためぐち感覚、投稿はファックス、E-メール、チラシ裏の手書きやフロッピーを郵送、どれでも結構です。
 若干の編集を加えてインターネットホームページにも掲出されます。

甲賀市信楽町が舞台の映画
『火火』いよいよ完成、そして公開へ


 11月12日水口アレックスシネマにおける完成披露試写会での
舞台挨拶。左から高橋伴明監督、主演の田中裕子さん、窪塚俊介
さん。この映画のモデル神山清子さん。
(撮影/安田群司 水口テレビ・スタッフ)








 久しぶりに本格的な映画ロケが近くにやってきたことで、胸をときめかせた人も多かったと思われる劇映画『火火』。撮影は本年5月に始まり、信楽、水口、甲西、大津などで約1ヶ月間ロケが行われました。
 11月12日、甲賀市水口町の水口アレックス シネマで、甲賀市信楽町が舞台の映画『火火』の完成披露試写会が行われました。つまり地元としては、甲賀市誕生以前に撮影が行われ、以後に映画が完成したことになります。
 試写会には、映画配給会社ゼアリズ・エンタープライズの社長であり、プロデューサーの日下部孝一さん、高橋伴明監督、主演の田中裕子さん、主人公のモデルである陶芸家の神山清子さん。主人公の息子役で映画デビュー作となった窪塚俊介さんの5名が来館され、舞台挨拶がありました。
 信楽焼にとりつかれたアーティスト、そして白血病になった息子の賢一さんを救うために奔走する母親役を演じた田中裕子さんは、久しぶりに水口に来られて「なつかしい」とおっしゃっていました。劇場には、田中さんが実際作られた信楽焼の作品が展示されていました。
 映画『火火』は、2005年1月22日(土)から、滋賀県の映画館(シネコン)で先行ロードショー。その後全国各地で公開されます。ぜひお近くの劇場でご覧ください。
そして、舞台となった信楽を訪ねてみませんか?
滋賀県先行上映は、1月22日(土)より、水口アレックスシネマ、浜大津アーカス、草津シネマ、マイカル近江八幡、彦根ビバシティにて。
全国の上映スケジュールは『火火』のオフィシャルサイトに掲載されています。
http://www.hibi.cn/
(リポート/上村秀裕/碧水ホール学芸員)
ナツメロ世代
『 エービーシャラララー♪〜 』



 はっきり言ってうちの父はナツメロファンだ。実は岡晴夫のファンクラブ歴ウン十年である。そんな父を横目に見ながら育った私はおかげで『憧れのハワイ航路』の二番を歌詞を見ないで歌えたり、『東京の花売娘』もカラオケで歌う。

 しかし私もナツメロ世代だった!中・高時代いやと言うほど聴き流したいとおしい曲がいっぱいある。ここしばらくほとんど聴いていなかったのだが最近デュランデュランのベスト盤を借りて聴いたところ、ちょっとまた火がついた。で、ハワードジョーンズとかビッグカントリーとかメンアットワークとか、とにかくその時代に聴いてた曲々をむさぼり始めた。1983, 84, 85は特にしゃかりきになって(←この言い方も懐かしい!)聴いたものだった。私にとっての音楽黄金時代!
 当時は歌詞カードの英語を必死に目で追いかけながら、でもやっぱり最後は聞こえたふうにデタラメ英語で歌うのだ。面白いことに当時は英語がよく分からなかったから口もよく回んなかったけど、今はこう言っちゃあ何だが英語はかなり上達した。流暢に歌えるようになった私はうれしいものの何か変。やっぱりこうでなくっちゃと口もよくまわるようになった今でもやっぱりデタラメ英語で口ずさむ。
 それからその意味。当時はあんまりピンとこなかった歌詞を見てちょっとドキッとしたり、「こんな歌詞やったんかあ。思ってたんと違うなあ。」とか今ごろになって思ったり。あれだけ口ずさんで日本語訳も見てたはずやのにね。今は訳を見なくても英語から自分の解釈で理解したり、当時はちょっと気恥ずかしいような熱い歌詞もかえって今のほうが落ち着いてしっくりくる感じ。なんか大人になったじゃあん、とこんなところで感じておく。

 こんなことを感じてる30代、私だけじゃないはず。あれは私らがちょうど思春期やったからだけではないはず。たしかにポップス黄金時代だったんだろうと思う。ちょっとうれしい。私と同じぐらいの歳の人がCM作ったりCD作ったりどこかの店長だったりする。今日もテレビや服屋さんで私たちのナツメロをきっと耳にするだろう。みんなナツメロ世代なのである。
(minami/HVS)
コンサート情報
 第20回 バリアフリーコンサート
12/26(日)いずみホール(大阪)
■開演時間: 14:00
■出演:柏原市青少年オーケストラ 他
■演奏曲目: ベートーヴェン:交響曲 第9番 「合唱付」
オーケストラと歌おう/1年生になったら、森のくまさん、ドレミの歌 など
■料金:前売¥1,000 当日¥1,500(当日指定)
■お問い合わせ: 小船 0729-41-7668
福原左和子リサイタル
〜箏・十七弦・二十弦・胡弓による〜
2005年1月19日(水)19:00時開演
京都府立府民ホール アルティ
\3,000円 当日\3,500円
ローソンチケットLコード58698
助演 塩見裕子(ヴァイオリン)
   池村佳子(チェロ)
マネジメント エラート音楽事務所075-751-0617

このページの始めへもどる
home
HVS通信73 号 2004年(平成16年)12月
タイ・ホアヒン(上原秀格)..1
『火火』いよいよ完成・・・(上村秀裕)...2
ナツメロ世代(minami)....2
コンサート情報....2



2004年12月18日から