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H.V.S通信 vol.79  2005年(平成17年)9月 home




HVS通信 vol.79
2005年(平成17年)11月


編集・発行
碧水ホールボランティアスタッフ
   滋賀県甲賀市水口町水口5671 碧水ホール
郵便番号 528-0005
電話 0748-63-2006
ファックス 0748-63-0752
e-mail michio@jungle.or.jp
ホームページ http://www.jungle.or.jp/hvs/
碧水ホールの公式ホームページ
http://www.city.koka.shiga.jp/hekisuihall/


平成17年度の文化庁優秀映画鑑賞会企画
山崎と山崎で山崎を。(minami)...1
サザナミ記念アンサンブル第5回定期演奏会...1
映画『KAMATAKI』受賞(上村秀裕)...2
ハウゴー&ホイロップ...3
ラ・ビッシュ・コンサート...3
ロビーライブハウス化計画...3
分相応ロック魂(井上陽平).....4


「ラ・ビッシュ・コンサート」のご案内で出演メンバーに間違いがありましたので訂正しました。2005.11.12



 私がもしもどこか今と違う場所で暮らすとして、それが近畿地方なら絶対山崎に住みたい!それはかなり以前から思っていたことだ。大学生のころ、サークルの試合で大山崎に行くことが度々あり通ううちに何となく気に入ったのである。それからは行く用事は全くなくなったが、たまにJRで通るたびに緑が多く小さな坂があるこの街に理由のないなんとなくのあこがれを持ち続けていた。そしたら私と同じように思っている人がいた!友達の山崎さんである。そしてついに用事が到来。大山崎美術館で着物と和装小物のコレクションで有名な人の展示があるという。私はよく知らなかったがちょうど着物にも今興味があるし、なにより場所が山崎ということなのですぐ行く気になった。相棒はもちろん山崎さん。
 初めてJRの駅を降りる。「あぁ、やっぱり。」予想していた通り、そこは小さくて緑が多くて坂があり静かで何もないようで、隠れキャラのようにおしゃれなものやトホホなものやおもしろいものがひそんでる・・・。静かな中に人の声がしてきて普通の生活のにおいがプンプンする。

 駅前に小さなレストランがあったので入ってみる。ランチタイムはもう終了していたのでカレーをたのんだ。メニューにはやはり「サントリー山崎」の文字が・・・。チラッと山崎さんを見るとあちらもこちらをうかがうようにランランとした目つき。のんべえの私らは無言で頷き「いっとこ!」。2コのカレーと一杯の“山崎”で遅めのランチを、二人のあこがれの地“山崎”にてこころゆくまで楽しんだ。その美味しかったこと!ウイスキーなんて何年ぶりに飲んだだろう?しかも昼間っぱらからなんて。五臓六腑に染み渡るというよりも食道から胃までがやんやの歓声を上げているのが分かる。カレーときちんと冷えたロックの山崎は合う!天気も上々。着物展もとてもよく、それ以上に美術館の建物も気に入って二人の山崎ファンはご満悦だった。
 折しも100万円の山崎50年物ウイスキーが発売されたらしい。私はウイスキーも滅多に飲まないし100万円もないけれど、これを買う人の気持ち、なんとなく分かる気がする。
 「山崎」よい響きである。やっぱり「山崎」バンザイである。あとはヤマザキパンをかじりながら山崎まさよしのライブでも・・・といきたいところである。
(hvs/minami)





         



ヴィオラ協奏曲(テレマン)
 ソロ 高村明代
    (京都市交響楽団・副首席奏者)
クリスマス曲集 
 共演 水口児童合唱団

サザナミ記念アンサンブル
第5回定期演奏会
2005年12月4日(日)
午後3時開演
協力券 500円 中学生以下無料
http://www.jungle.or.jp/sazanami/
室内楽ワークショップ(碧水ホール主催)も合わせて開かれます。



平成17年度の
文化庁優秀映画鑑賞会企画

●忍の里プララ(0748-86-1046)
 優秀映画鑑賞事業 IN PLALA
平成17年11月12日(土)13日(日)
稲妻 1952年
紀ノ川 1966年
華岡青洲の妻 1967年
サンダカン八番娼館望郷 1974年

●碧水ホール(0748-63-2006)
 第1回甲賀映画祭
平成17年11月23日(祝)〜27日(日)
11/24木 八月の濡れた砂 1971年
    伊豆の踊子 1974年
11/25金 キューポラのある街 1962年
    けんかえれじい 1966年




第29回モントリオール世界映画祭2005にて
主要5部門受賞!

 昨年(2004年)、甲賀市では、信楽を舞台にした映画『火火』(高橋伴明監督)に続いて『KAMATAKI』(クロード・ガニオン監督、カナダ・日本合作)の撮影が行われていました。『火火』は1月の滋賀県先行ロードショーで日本公開が始まり、当初の公開劇場数を大幅に延ばして、たいへん好評を得ました。
その後、完成が待たれていた『KAMATAKI』は、第29回モントリオール世界映画祭2005(8/26〜9/5開催)でワールド・プレミア上映。コンペティション部門に出品された同作品は、最優秀監督賞など主要5部門を受賞しました。
掲載してある写真は、受賞した様子を伝えるもので、これは『KAMATAKI』のプロダクションから特別に提供していただいたものです。藤竜也さんが写っていますが、藤さんは陶芸家役で出演されています。日本の俳優では吉行和子さんも出演されています。
日本公開のみならず、多くの国で公開されてほしいものです。
映画『KAMATAKI』のオフィシャルサイトでは、映画の一部が公開されています。
http://www.kamatakimovie.com/
(上村秀裕/甲賀映画祭事務局)

甲賀市信楽が舞台の映画
映画『KAMATAKI』
第29回モントリオール世界映画祭2005にて
主要5部門受賞!

GAGNANT DE 5 PRIX FIPRESCI
国際批評家連盟賞
(PRIX DE LA CRITIQUE INTERNATIONALE)

PRIX DE LA MEILLEURE MISE EN SCENE
最優秀監督賞

GRAND PRIX DU PUBLIC
グランプリ観客賞

FILM CANADIEN LE PLUS POPULAIRE
ベストカナダ映画観客賞

PRIX OECUMENIQUE
エキュメニック賞

●シネパニュース
 甲賀映画祭実行委員会では、早くからこの映画「KAMATAKI」に注目していましたが、公開は来年以降に予定されており、残念ながら第1回甲賀映画祭のラインアップに加えることができませんでした。

第1回甲賀映画祭
11月23日(祝・水)〜27日(日)
会場 碧水ホール
 滋賀県立水口文化芸術会館 水口アレックスシネマ ビアレストラン寿賀蔵 上映作品・ゲスト
 アジア、日本の劇映画、ドキュメンタリー、自主制作などジャンルを問わず、24作品を5日間、3会場で上映
文化庁優秀映画シリーズなど懐かしの名画も併せて上映します。
www.cinepa.jp

アンデルセンの国デンマークからやってきたフィドル(ヴァイオリン)とギターのデュオ
伝統音楽をベースとしたポップな歌と演奏、北欧のクリスマスソングも添えて・・

ハウゴー&
ホイロップ
クリスマスコンサート
2005年
12月15日木曜日 
  19:00開演(18:30開場)
●チケット

前売2,000円
当日2,500円
  全席自由

ゲスト
Yae
(NHKみんなのうた「名もなき君へ」で共演)


主催 甲賀市碧水ホール

サザナミ小さなコンサート
 サザナミ記念アンサンブルの練習日に、不定期に開かれる20分ほどのコンサートです。何れも木曜日午後7時から。
 入場料 ¥500(当日受付で)
 会場 碧水ホール(客席も舞台上)
ヴァイオリン 鈴木博詞  
ピアノ 宮澤和代
11/17木(第35回)
モーツァルト「泉のほとり」のテーマによるヴァリエーション
サラサーテ いのり サパテアード
ラフマニノフ ヴォカリース
2006.1/26木(第36回)
モーツァルトピアノとヴァイオリンの為のソナタ 変ロ長調Kv454

●お知らせしておりました12/22木の回は都合により休みます。

京都市交響楽団メンバーによる
ラ・ビッシュ・アンサンブル
コンサート
期日2006年2月28日(火) 19:00開演(18:30開場)
会場 碧水ホール

 サザナミ記念アンサンブルの活動がご縁となって実現したコンサートです。素晴らしい演奏を、市内で、低価格で、お楽しみいただけます。

チケット 前売 2000円(当日2500円)
     12月24日発売開始
     碧水ホール他で取扱
プログラム
 チェコの作曲家特集
  ドヴォルザーク ヴァイオリンソロ
  マルティーヌ 九重奏曲
  他
出演
ラ・ビッシュ・アンサンブル
 2002年、京都市交響楽団のメンバーを中心に発足し、京都で年一回の主催公演をはじめ、様々な室内楽活動を行っています。2003年から「ラ・ビッシュ・アンサンブル」として活動、2004年には鳥取公演や会食付き演奏会「マチネ」を開催するなど、「室内楽の楽しさをより多くの人達に伝えたい」をコンセプトに、ジャンルや編成にとらわれないレパートリーに挑戦しています。
メンバー
田村安祐美(ヴァイオリン)
片山千津子(ヴァイオリン)
高村明代(ビオラ)
渡辺正和(チェロ)
神吉正(コントラバス)
鈴木祐子(クラリネット)
仙崎和男(バスーン)
清水信貴(フルート)
高山郁子(オーボエ)
小椋順二(ホルン)

主催 サザナミ記念アンサンブル
協力 碧水ホール

「ヴァイオリン・チェロ・ピアノ」改め
ヴァイオリンとピアノ

vol.2"冬の宴"
2006.2.5(日)15:00開演
入場料 前売1,000円 当日1,100円
      小学生以下500円
出演 藤原利佳(ヴァイオリン)
   鈴木かずこ(ピアノ)
●この企画は都合によりタイトル、出演者が変更となりました。


MU楽団「室内楽カフェ、
   音楽の作りかた」
第2回 2006.3.4(土)14:00
フォーレ/チェロソナタ第1番、諸井誠/オルドゥル、清水慶彦/新作、他
第3回2006.4.29(土・祝)14:00
ベートーヴェン:チェロソナタ3番、森崇博/新作、他
入場料 各回1500円(前売当日共) 
中学生以下無料
出演 多井智紀(チェロ) 永澤学(打楽器) 植田浩徳(ピアノ)

 来年度(第8期)の募集は2006年4月からの予定、募集期間は比較的短いのであらかじめご計画を。

ジャワガムランアンサンブルの演奏を楽しむ
市民グループ
Tirta Kencana
      ティルト クンチョノ

 練習日は毎週水曜日午後7時ごろから。
 場所 碧水ホール 参加費 4000円(月額)
 指導 中川真 マルガサリ 
名誉顧問 スニョト(インドネシア国立芸術大学)
 ジャワガムランの伝統曲や現代曲、創作にも取り組んでいます。初めての方も参加できます。
 2006年6月にコンサートを計画中、始めるなら今がチャンスです。詳しくは碧水ホール(担当中村0748-63-2006)まで。
 マネジメントやスタッフをやりたいという人も募集しています。
http://www.jungle.or.jp/sazanami/gamelan/


 今更ながら、ようやく『スクール・オブ・ロック』をDVDで見た。おもろかったなぁ。
 この映画の素晴らしいところは、この映画のスタッフがかなり高いレベルの「ロック魂」を持っていることだと思う。
 高いレベルの「ロック魂」とは何かというと、「現実を厳しく認識し、それでも行動する心」のことだ。それをこの映画では主人公のデューイ(ジャック・ブラック)が話すセリフで表現している。
 臨時教員のふりをして有名な進学校に潜り込んだ彼は、生徒達に向かって一番はじめに「世の中は“THE MAN(大物)”が支配している。ホワイトハウスにいたりオゾン層を破壊したり動物を見世物にしたり、至る所にいるんだ。ロックも反抗したがやはり無力だった。キミらも夢はあきらめろ」と言い放つ。また生徒が作った曲を演奏するとき、「俺に才能がないことくらいわかっているんだ」と話している。彼は世の中を動かす層がいることを見抜き、自分がそこに入れないことはもちろん、これから先スターになる要素もその才能もないという現実をしっかりと認識している。
 しかし、彼はやはりギターを弾くことも歌を歌うことも止めない。現実は認識していても、それを受け入れて“身分相応”な生活をすることはロックではないと信じているからだ。ロックを趣味ではなく生き方として選択した以上、“身分不相応”だろうが誰からも見てもらえなかろうが、このまま突っ走るしかない、と覚悟を決めているのである。だから彼は演奏中での客席へのダイブもきっと止めない。客がその体を受けてくれる、受けてくれないとは別の理由で飛んでいるのだから。


 この「高いレベルのロック魂」を持ち続けることは並大抵のことではない。世の中にはロック的なファッションや態度を真似するだけの人も多いし、あまりにも厳しい現実にあきらめロックを離れる人もまた多い。これらの人々についても映画は描いている。
 前者に対しての意見は強烈だ。彼が教え始めた子どもたちのバンドがライブオーディションの会場にいた場面。


ドラム担当の生徒がタバコをふかす他のバンドの連中とカードゲーム(多分とばく)に参加しているのを見つけたデューイは、「あいつらはカッコだけの偽物だ。ロックはお遊びじゃない。真剣勝負なんだ」と説教して引き離した。ロック的行動のひとつである“自堕落”に興じる前者のような人たちをこの映画は全面否定している。「ロックを認めない人々」と同じレベルだというように。
 まぁ確かにロックをしている人は自堕落な人が多い。ドラッグ漬けのキース・リチャーズ(ローリング・ストーンズ)が代表格だろうか。しかし少し考えれば自堕落な人がロックをしているのではなく、ロックをしている人が社会に受け入れられないがゆえに自堕落にならざるを得ない、ということがわかるはずだ。キースはドラッグをした果てにギターを持ったのではない。ギターを持ってバンドをしたが行き詰まりドラッグに手を出したのだ。そして今彼はちゃんとギターの元に帰ってきている。この構造に気づかない人が「自堕落=ロック」という公式を作り、自分もその公式に当てはまろうとする。そういう人に対して映画は「カッコだけの偽物」と言い切った。素晴らしい。だから同じように「スターは太っていない」という公式に悩み、私は太っているからステージで歌いたくない、という生徒に彼はこう答えているのだ。「俺も太っている。でも俺は喰うのが好きだ。そんなことはどうでもいいんだ」。
 一方後者の人々に対しては愛情をもって描いている。昔スティービー・ニックスの大ファンであったが、現在は有名進学校の校長という立場から徹底的な管理教育を行っているマリンズ(ジョーン・キューザック)に対し、デューイは話を聞き、励ましているのである。元バンド仲間のネッド(マイク・ホワイト)が、居候しているデューイに対して再三「出て行ってくれ」と言っても彼は怒らない。「僕には実力が無かったんだよ」と言うこの友人に苛立ちを感じながらも怒れなかったのだろう。
 “現実認識”をする時、人は大きな決断を迫られる。才能もない・注目もされない・このままでは喰えないという現実に対して“身分相応”なことをするのか、それともそれを認めても、それに対して負け犬のまま突っ走る生き方をするという“身分不相応”なことをするのか、という岐路に立たされるのだ。


もちろん“身分相応”なことをすることを誰も責められないはずだ。「趣味なんですよ」と言って音楽を生活のジャマにならない程度に続けることは素晴らしい。家族のために音楽を切り離して生きることも素晴らしい。だからそれを選択している人をこの映画は全く責めない。最後にはネッドが子どもたちにギターを教えるシーンが出てくる。彼はやっぱりバンドには戻らなかった。そして映画は、それでいい、と言っているのだ。そこにも「ロック」があることを知っているからである。


 自分が心揺さぶられたのは現実に対して“身分相応”の生き方を選んだ人への愛情ある視点と、主人公のデューイが持つ“身分不相応”の生き方を選んだ人のバカバカしくも底知れぬ魅力だ。自分もまたロックに大きな刺激を受け、しかし現実にも気づき、“身分相応”の生活を選択しながらも“身分不相応”への誘惑を断ち切れない、という日々を送っている。だからこの映画を見ると大きく励まされると同時に、とてつもなく切なくなってしまう。「俺、これでええんやんな」と「俺、これでよかったのか?」という気持ちが交互に襲いかかってくる。でもこの映画はこう言っていると解釈した。“身分相応”の生活に“身分不相応”のロック精神を混ぜるんだよ!
 自分と同じような生き方をしているロックファンも多いのではないだろうか。この映画が「ロックファン必見!」と言われるのは別にロックの名曲が使われていることだけが理由ではなく、改めて「これでいいのだ」と「これでいいのか」を自問自答させるきっかけになるからだと思う。そしてその自問自答に答えはなく、その自問自答の中で動くことこそがロックなのだ、と『スクール・オブ・ロック』は言っている。  だから多くの人々もこの映画を見て確信したと思いたい。そうやって揺れていけばいいんだ。揺れないヤツはロックじゃない。揺れないヤツが動かすこの世界に違う方向を向け。そしてそういうヤツに言ってやれ。「黙れ。ジャマするな」と。
(HVS/ 井上陽平)


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ロビーライブハウス化計画...3
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 原稿をお寄せください。自分の活動やイベントの紹介も可。
 HVS通信はためぐち感覚、投稿はファックス、E-メール、チラシ裏の手書きやフロッピーを郵送、どれでも結構です。
 若干の編集を加えてインターネットホームページにも掲出されます。

2005年11月5日から