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H.V.S通信 vol.55 2002年(平成14年)8月



vol.55-31
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サザナミ記念アンサンブル定期演奏会
 
 












子どもも大人も、
初めての人も

サザナミ記念アンサンブル
 定期演奏会
9月28日
(土)午後3時


ワクワク・どきどき練習中。
子ども達の演奏も楽しみ。

協力券500円(当日のみ・高校生以下無料)
主催 サザナミ記念アンサンブル
「ヴァイオリンを弾いてみようワークショップ」(碧水ホール主催)も開かれます。
 お伝えしたいのは、あなたにも出来ます・・ということ。子ども達のための音楽環境をみんなでつくりましょう・・


vol.55-32
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ジャワガムランのやわらかな響き-3-
 
 
ジャワガムランの
やわらかな響き -3-
    
●,島根県八雲村、熊野神社『庭火祭』
 特に新月の闇が選ばれていたのかもしれない。2002年9月7日、島根県八雲村、熊野神社でひらかれた『庭火祭』は、小雨という条件にもまけず千人を超える人たちが、篝火に映えるガムランコンサートを楽しんだ。
 この『庭火祭』は、古くは『延喜式』にもみられる「庭火祭」...夜間に庭火を焚いて神楽を奉納する祭典....にちなんだもので、毎年、世界の民族音楽をとりあげながら今年で第10回を迎えたとのこと、実行委員会が組織され、人口7千人の村に、例年ならば2千人が集うビッグイベントである。会場の熊野神社は、この地方の神社に見られる巨大な注連縄、豊かな森の樹々とともに、神社や地域を支える熱い想いのスタッフ達の活躍がある。
 碧水ホールでも薪能を担当したことがあって少しは分かる。野外イベントはとても大変だ。ガムランの音もやはりスピーカーなどを使って音を整える必要がある。庭火祭とはいえ、照明は必要だ。舞台は本殿正面の階段を旨く利用して仮設されている。
 コードのコネクタ類は雨に備えてビニールでカバーされている。相当の数だ。照明のための発電器が持ち込まれている。舞台は通り過ぎる雨に、何度もシートで覆う作業が行われた。客席はシートに御座敷というスタイルだが、雨に濡らさないように本番直前まで準備できない。文化財の中で火を使うので、万一にそなえて小型消防ポンプまで準備されていた。
 篝火がそこここに焚かれている。人々が闇のせまる参道を集まってくる様子は、なんだか、なつかしい光景だった。
 催しが終わってすぐ帰路についたのは、翌日に、地元のお寺で開かれる『薬師如来虫干会』のためだ。田舎のお寺ながら、昼間には『お薬師さん』のご開帳の儀式があり、夜には盆踊りなども開かれにぎやかになる。『庭火祭』の中にいて、ガムランの音を聞きながら何か懐かしく感じられたのは、子どものころから慣れ親しんだこの光景と似ていたからかも知れない。

『庭火祭』ワヤン(影絵)のリハーサル

●プンドボ
 ガムランの公演はジャワでは通常プンドボとよばれる建物(1ページに写真)で行われる。この建物には、熱帯地方ということもあるのだろう、寄せ棟の屋根に、大理石やタイルの床で、壁はない。日本の能舞台(今ではこの舞台がホール内に作られることになってしまったが)や、神社の神楽殿に似ている。
 水口のガムランセットを設計したサプトノ氏は、ガムランはプンドポと言う場所がまず第一の友人であると、第2として野外であると言っている。コンサートホールでやる場合は、木の床、天井の高さ、ホールそのものの響き具合などによって、色々工夫が必要となる。

インドネシア国立芸術大学のプンドボ

●滋賀県水口町、碧水ホール『ガムランコンサート』
 9月14日の碧水ホールでは、ホールの中でのコンサートとなるが、八雲村でのものと同じプログラムである。多目的ホールの特徴を活かした舞台づくりが計画されている。ワヤン(影絵)で表現される部分があり、照明などの工夫もぜひご覧いただきたい。
 今年の7月から発足した水口ガムラン教室のメンバーや、碧水ホールボランティアスタッフも裏方として活躍してくれるのは心強い。
 沢山の観客を得て、楽しいコンサートとなることを願っている。
(中村道男・碧水ホール館長)





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