
『キートンのスケアクロウ』
The Scarecrow (1920)
出演:バスター・キートン、シビル・シーリー、ジョー・ロバーツ、ルーク・ザ・ドッグ
監督・脚本:バスター・キートン、エディ・クライン
製作:ジョセフ・M.スケンク、コミックフィルム作品 、メトロピクチャーズ配給
上映時間16分 公開日1920.11.17
【あらすじ】
丘の上の朝は緩やかに明けゆく?バスターとジョーは部屋が一つしかない一軒家で共同生活をしている。歯痛に悩むバスターのかたわらで身だしなみを整えるジョー、鏡を裏返すとそこにはシビルの肖像写真が貼ってある。それに向かってジョーが愛情表現するのを見たバスターはそれを取り上げて「彼女がどう思ってるかわからないけど、結婚するのは僕だよ」と歯痛も忘れて熱く主張する。歯を抜いてから、いつものとおり、朝食の準備。バスターは料理、ジョーはテーブルセッティング。母親がいなくても家事が円滑に運ぶように、室内には様々な工夫が凝らされていた。後かたづけを迅速かつ完璧に終えてからお出かけ。
外に出てみるとタイミング良く隣のお嬢さんシビル登場。彼女を巡って二人は争奪戦を繰り広げる。その様子を見たシビルの父親はシビルに家に戻るよう戒める。
おもしろくないシビルは、父親に仕返ししようと、胃にもたれるようなクリームたっぷりのパイを焼いた。それを窓辺に置いて冷ましている間、庭先に出てダンサーズ組合で習った踊りを母親に披露するシビル。たまたまジョーが通りかかり踊りのお相手を務めることに。後から来たバスターは仲の良さそうな二人を見て、ハートブレイク。力なく窓辺に寄り掛かる。と、そこにはこってりしたパイを食べて興奮した犬がいた。それを狂犬だと勘違いしたバスターは逃げる、逃げるから犬は追っかけた…。
【かいせつ】
アーバックルとキートンの共作期のリズムとテンポを踏襲しつつも、キートンのお家芸であるギミックが冴えた一編。本作に登場する犬の実際の飼い主がアーバックルである事から、これも一連のコンビ喜劇に準じていると断定できる(当時アーバックルはパラマウント社へ移籍していた)。不朽の機能的ギャグに拍手!!
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