『キートンの化物屋敷』

The Haunted House (1921)

出演:バスター・キートン、ヴァージニア・フォックス、ジョー・ロバーツ、エディ・クライン
監督・脚本:バスター・キートン、エディ・クライン
製作:ジョセフ・M.スケンク、コミックフィルム作品、メトロピクチャーズ配給
   上映時間18分 公開日1921.2.10

【あらすじ】
 ニューヨーク・ウォール街。強気筋と弱気筋が綱引きする巨大な金融センター。なかには違法行為に走る金融業者も存在する。バスターが働く小さな銀行の支配人ジョーは、郊外の古屋敷で偽札造りを続けていた。建物のあちこちに細工を凝らした上に、化物が出るという噂を流し、その屋敷に他人を寄せつけないようにしていた。
 バスターは規則よりも女性に弱い金庫番、女性に頼まれれば開店前の朝8時に金庫を開けてしまう。窓口では、バスターがお札をめくるとき誤って指に接着剤を付けてしまったせいで、そのお札に触る者皆、接着効果が伝染し、銀行内は、天手古舞いの人々であふれてしまう。
 頭取室では、頭取が銀行内に偽札が出回っていることに気が付き警察に捜査を依頼。これはマズいと支配人ジョー、偽札回収=証拠隠滅するために、手下に命じて狂言強盗をやらせるという手段に及ぶ。ところが、接着剤浸けの札はさすがに盗めない、計画狂って窮地のジョーは、たまたまその場で銃を手にしていたバスターに全ての罪を着せた。警察に追われる身になってしまったバスター、最後には例の化物屋敷へと逃げ込んだ。そこには、ジョーの手下の他に『ファウスト』上演で大失敗のダイコン一座も乱入し、事態は一層複雑怪奇に…。

【かいせつ】
街の銀行員キートンは、日頃の無能ぶりから泥棒の汚名を着せられてしまう。そんな時、銀行内でニセ札が発見されるが、実は頭取こそ偽造団のボスであった。彼らのアジト俗称「化物屋敷」へ駆け込んできた“泥棒”キートン。さらに「ファウスト」上演中の劇団員も闖入して…。キッチュ感覚溢れる一遍。

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