『キートンの白日夢』


Daydreams (1922)

出演:バスター・キートン、ルネ・アドレ、ジョー・キートン、ジョー・ロバーツ
監督・脚本:バスター・キートン、エディ・クライン
製作:ジョセフ・M.スケンク,バスター・キートン・プロダクションズ作品、ファーストナショナル配給
   上映時間18分 公開1922.11.

【あらすじ】
 バスターは夢見がちな風太郎(プータロー)。世間知らずなお嬢さんのハートを射止め、彼女の父親に結婚の許しを得ようとしたが、「おまえは娘を養えないだろう」とつれない答え。そこで、「これから都会に行って成功してみせます。もしダメだったらここに戻ってきてピストル自殺します。」と啖呵を切った。
 都会に行ったバスターからお嬢さん宛に手紙が順次届いた。
 手紙1「僕は今大きなサナトリウムで仕事を任されています。面倒を見ている患者の数は二百ほど。想像を絶するほどの手術をこなさなければなりません。」
 手紙2「ちょっとした災難のせいで、手術の仕事は諦めなければなりませんでした。今は金もうけ(Clean Up)でもしてみようと証券取引所の辺りでビジネスをしています。金融界の著名人たちとよく顔を合わせます。」
 手紙3「金もうけ(Clean Up)にも飽き飽きしました。僕は自分の芸術家的な資質を生かそうと考えました。今日シェークスピアの『ハムレット』で舞台デビューします。」
 手紙4「素晴らしい成功!人々があまりに熱狂的に押し寄せてくるので、自分の通り道を探さなければならないほどでした。」

【かいせつ】
オリジナル版は現行より約10分長いらしいが現存しない。そのため少々ストーリーもわかりづらい。成功しない男のサクセス・ストーリー(?)で、近年に『ロイドの要心無用』と比較されているが、ハッピー・エンドのロイド喜劇に対して、本作はあまりに悲観的。ペシミストの心を癒すレクイエム…。

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