
『捨小舟』
The Love Nest (1923)
出演:バスター・キートン、ジョー・ロバーツ、ヴァージニア・フォックス
監督・脚本:バスター・キートン
製作:ジョセフ・M.スケンク、バスター・キートン・プロダクションズ作品、アソシエイティド・ファーストナショナル配給
上映時間19分 公開1923.3.
【あらすじ】
美しい夕暮れ時に恋人から別れを告げられたバスターは、彼女のことを忘れるために世界一周の船旅に出発することを決めた。ただし、乗る船は、ボートに幌を掛けただけのような小舟キューピッド号。出発してから何日経っても目の前には大海原が広がるばかり。気分が悪くなったバスターは酔い止めの薬を飲んで横になった。気がつくと、すぐ近くに捕鯨船。その船の船長は七つの海で最も残忍で短気な男だったが、他にあてのないバスターは船室付き給仕として雇ってもらうことにした。
鯨の捕獲の最中に船長が海に落ちてしまう。これはラッキー、今度は自分が船長だ、と他の船員に息巻くバスター。その様子を海からサバイバルしてきた船長が見て怒り心頭。船長に追いつめられたバスター危うし、甲板から落ちることを余儀なくされた。ついに海の藻屑と化してしまうのか、と思いきや、船尾から海へと伸びた縄につかまり、救命ボートを奪取する機会を伺うバスターであった…。
【かいせつ】
1989年にカリフォルニアで大量の古典映画が発見された時、ネガ、プリントともに行方不明だった本作は蘇った。一連のキートン作品には珍しいニュース・フィルムの流用にて、効果的な演出とド迫力のギャグが確認できる。ティピカルなブラック・ジョークも多い秀作。
<次のページ>
<上映作品リスト>
<全作品リスト>
<表紙>