『キートンの警官騒動』


Cops (1922)

出演:バスター・キートン、ジョー・ロバーツ、ヴァージニア・フォックス、エディ・クライン
監督・脚本:バスター・キートン、エディ・クライン
製作:ジョセフ・M.スケンク、コミックフィルム作品、ファーストナショナル配給
上映時間18分 公開1922.3.

【あらすじ】
 バスターは、市長の娘ヴァージニアに門の外から求婚する。彼女の返事は「ビッグなビジネスマンじゃないあなたなんかと結婚するわけないでしょ」と冷たい。そこでバスターは、チャンスを掴むために街へ出る。通りで失礼な態度の刑事から大金をせしめることに成功し、その金を元手に何かビジネスでも、と考えて歩いていると、泣いている男が家財道具とともに座っている。話を聞けば、その家財道具が売れなければ女房子供が飢死にする、という。可哀想に思ったバスターは買い取ることにした。実はその男は詐欺師で、家財道具も別の人間の引っ越しの荷物だったが、荷物が自分の物になったと信じたバスターは、荷馬車も買ってその上に積み込む。荷馬車を操りしばらく行くと、警官デイのパレードに合流した…。

【かいせつ】
サイレント映画の時代は、権力の象徴として「警官」を登場させ、この職業のものを罵倒する人物が一般大衆から熱烈な支持を得ていた。ある種のピカレスク的発想で、特にマヌケで弱い小市民(コメディアン)の天敵が警官という関係が喜劇の定石となっていた。このアイデアで最初に大ヒットを収めたのはマック・セネットというプロデューサーで、その流れを汲むチャップリンも警官とのトラブルで笑いを集めていた。本作はその亜流ながらもスケールを大きくする事で、より多くのギャグを生み出している。実話ならばかなりヒサンな男の物語…。

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