H.V.S通信 vol.60 2003年(平成15年)4月
井上陽平●Don't Trust Over Thirty (miniutes) HVSのヨーヘイさんが2000.12-2003.3に録音した自主制作CD-R。「30(・・分)以上を信じるな。」 日本語によるロック。多重録音バンド。ギターもベースも歌もコーラスもドラムも本人。「おまけ」と称する曲があって、その内、「インターそばのメロドラマ」は昨年の「夏の音展」でギター一本、本人歌唱を聴きました。収録されたものとは随分印象が違うのですが、ま、よくあることです。 これは初めてのCD-Rでは無く、他にもmillenniumタパクロス・セッション(1985〜1989)というテープから起こしたCD-Rが碧水ホールに現存します。「雨の前」というのが素敵でした。それ以来5枚目のCD-Rです。 ■価格 未定 ■入手法 碧水ホールへお問い合せください。 碧水ホールで試聴可 中川博志●january17,1995「あの日、いつものように朝のラーガが聞こえていた。」 発注して置いたCDが、連休の最後の日に届いてました。 1曲目のJanuary17.1995は27分に及ぶアーラープ、最後まで寝ないで聴けました。「神戸」がテーマなわけで、聴いている間ずっと、そのことを思わないわけにはいかないのですが、もし、そのことを知らないで聴いたとしても、とても美しい作品です。 発売記念ライブのご案内も。この曲をもう一度演奏してくださいと言ったら、可能な状態なのでしょうか。即興と作品としての定着・・興味深いところです。後半に、伴奏として2本目のバーンスリーが重なります。 2曲目の古典曲のクル・プーシャンのタブラはあいかわらず難解、初心者には複雑すぎるのかもしれないガットと、伝統的なリズムのゆらぎみたいなのが感じられて、「私にはまだ理解できていないインド音楽」が提示されているようで、大変興味深く聴きました。 ■販売価格2500円+送料200円 ■天楽企画 http://sound.jp/tengaku/ コードMFS-0301 野村誠●せみ 私がガムラン作品「せみ」を最初に聴いたのは昨年の2月頃、大津市民会館の「ガムラン・コンサート」でジャワガムラングループ・マルガサリによてって演奏されたもの。当然ジャワ舞踊が付いていました。 スンドラタリ「桃太郎」の第二場にもその一部が出てきますので、今年の9月には碧水ホールでも聴けるでしょう。 この CDには、他に琴のグループ「琴衛門」、水戸芸術館ワークショップの参加者と共作した「せみbongo」、小倉小学校多目的室で開かれた「第3回野村誠としょうぎ作曲まつり」での「せみ小倉」も収録されています。 今年の8月、碧水ホールでは野村誠をまねいて「こどものためのガムラン」をワークショップ、コンサートなどで参加者と共同作曲、演奏します。 入手法■シュタインハンドhttp://www.steinhand.com/ 価格■¥3000円 コードSH0003 写真/高橋ヨーコ 小説/中川真●sawa sawa サウンドスケープの研究者(大阪市立大学の教授、ガムランのグループを主宰)が、バリを舞台に書いた恋愛冒険小説。エピソードや、音風景は彼の豊富な研究の成果に基づいていて、フィールド・ワークの成果を発表する斬新な手段としても注目を集めています。 中川真さんは、これまで『平安京、音の宇宙』(平凡社)でサントリー学芸賞を受賞されるなどのご活躍がありますが、小説は初めて。碧水ホールのガムランチームの指導をしていて、月に何度かは碧水ホールへ来ます。「著者サイン」の欲しい方はホールまでご連絡を。 本の半分は高橋ヨーコさんの写真集になっていて、これも素敵。 ■価格1200円 求龍堂 ■入手法 全国の大きな書店で。 http://www.kyuryudo.co.jp でも注文可 |
このごろの CDと本 ![]() |
水の上●海を見た コントラバス-森定道広さんらが、てらにしあいコンテンポラリーダンス公演「真実の生活2002」のために作成した音源。CD-R 。作曲、唄、三弦森定みずほ・・の「海を見た」も収録。 てらにしさんはどうか知りませんが、ダンスの人たちは演奏が固定されていることを望むみたいで、そのために作成されたCD-Rでしょうか。 「真実の生活」は2001年11月24日に碧水ホールでの公演も行われました。このときは、全くの生演奏。 ■非売品(だろうと思います。) ■情報 http://www.d5.dion.jp/~zmizho/ くるみ●櫻-sakura- HVSの大野さんが、その友人と一緒にもちこんできたCD-R。女性ふたりのピアノとボーカル。 大野さんとその友人は、この人達のコンサートをプロデュースしてしまおうかと、悩んでいました。 ■定価1000円 ■入手法 クレジットされていたホームページ http://www.hpmix.com/home/kurumi7 Mari Mifune●Music Cafe ガムランの練習に来ていた北川喜朗さんは、碧水ホールロビーライブハウス化計画に応募、今年の10月12日(日)に碧水ホールでコンサートを開きます。 73才北川喜朗1st Live”ファンキー爺ちゃん”の叫び〜歌と音楽とおしゃべりと〜 10月12日(日)15:00 前売1000円当日1200円 ・・・というもの。 北川さんのやっているのは、なんと、DTM(ディスクトップミュージック:コンピュータとシンセサイザーによる作曲)だ。すでに『梵鐘』というCDも出していて、結構シャウトしてます。 そのコンサートをバックアップする豪華メンバーのひとり、三船麻理さんのファーストCDを、北川さんが持ってきてくれました。 キーボード・シンセ。音楽活動歴はかなり長そう。私としては、レコーディングの場所が大阪市立芸術創造館だというクレジットに注目しています。 ■価格 不明 ■情報 http://homepage3.nifty.com/FRONTIER/home.htm コード MSRI-1205 Dharma Budaya●壺から溢れ出すもの overflow 大阪のジャワガムラングループ、ダルマ・ブダヤによる「初のジャパニーズ・ガムラン集」 「大地から太陽へ」他。劇団「態変」とのコラボレーションのために作られた曲を収録。 2002年12月23日大阪千里中央A&Hホール、コンサート「ガムランの冒険」で、古典曲の他、この「大地・・」を聴いた。「クロックワークス」という現代曲も素敵だった。 価格■2500円 情報■http://www.nash.co.jp/amb/ コードNS-1252 ヒットチャートとはおよそ関係なく、私の手元にあるこのCDや本達は、黙々と碧水ホールでその役目を果たしています。 (中村道男/碧水ホール館長) |