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H.V.S通信 vol.60 2003年(平成15年)5月



vol.60-11
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僕たちの遠距離恋愛
 碧水ホールが2002年3月にジャワガムラン楽器群「ティルト・クンチョノ」を得る頃から、さまざまな出会いや出来事がありました。
 また7月からは、碧水ホールでガムランの演奏グループがスタートしました、9月にはこのグループと、碧水ホールの保有する楽器群に『ティルト・クンチョノ』と命名しました。
 今年はガムランプロジェクト2年目。心優しくも奔放なスタイルを持つ作曲家野村誠さん、長くガムランの活動を続け広いネットワークと深い知識と才能を持つ中川真さんと、そのグループ「マルガ・サリ」、インドネシア国立音楽大学(ISI)などの協力により、他にはないワークショップやコンサートを計画しています。
 以下は昨年2002年9月14日、碧水ホールで開かれたガムランコンサートの様子です。
 当時のインターネット掲示板に掲載したものをそのまま・・。

ガムランコンサート終わりました 投稿者:michio 投稿日: 2002年9月20日(金)10時00分53秒
 9月14日(土)のガムランコンサートを終えて、その後の水曜日ごとの水口ガムランアンサンブルの活動日もめぐってきて、やっとコンサートの興奮が落ち着いてきた感じです。
 今回のコンサートは、インドネシア国立芸術大学の教授達と大阪豊能町に本拠地を置くマルガ・サリ、コンサートの開催地の島根県八雲町、滋賀県水口町の協力で出来上がったものです。それは、このコンサートを企画監修した中川真さん、ジャワ舞踊の踊り手である佐久間新さんをはじめ、多くの人のガムランにたいする長い間の思い入れの結果でもあります。
 インドネシアの教授達の半月にわたる日本滞在、それまでの企画のやりとりによる新作「千の産屋、イザナギ、イザナミの物語」の制作。八雲村、熊野神社の「庭火祭」(瀬古康夫さんを一とする有志実行委員によって続けられている2000人規模のビッグイベントです。)の10年にわたるスタッフの情熱の成果、等々沢山の要因が、ある日ひとつに集まって、どこにも無いようなコンサート、インドネシアを含めてもジャワガムランの一番あたらしくラディカルな出来事が起こってしまったようです。
 水口では照明に岩村原太さんを得たこと、立ち上がりはじめた水口のガムランアンサンブルチームが裏方として協力してくれたこともうれしいことでした。
 このコンサートに観客として立ち会われた皆さん、それを作り上げた出演者、スタッフ一同の幸運を思っています。
 このコンサートを見た人も、見なかった人も、沢山の人から、また、機会があればみたいという声をききました。これは、再現は可能でしょうけれど、ジャワガムランの性質として常に変容していくのはその楽しいところ。ガムランはコンサートの成立過程も含めて「ライブ」な性質をもっています。次のチャンスには、また新たな観客を得て、別のものとなっているでしょう。
 ところで、今回の「イザナギとイザナミ」は神々の話ではありますが、基本的に恋愛物語、恋に落ちるシーンからはじまっています。日本サイドでは特にどうということのない表現なのですが、インドネシアはイスラムのお国柄ですから、お国では上演可能なのでしょうか。
 イザナミの国産みのシーンではサル、キジ(ガルーダ?)、イヌが登場します。イザナギが黄泉の国から逃れる場面では桃が出てきます。マルガ・サリ+野村誠の活動で、「ピーチボーイ(桃太郎)」六場(1場が碧水ホール公演で、2場が奈良県氷室神社公演で完成)のことが思い出されて、こちらの方もこれからが楽しみです。
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 島根県の瀬古さんのガムラングループは「風樹」という名前で活動しています。
 「千の産屋」は2003年2月27日にインドネシアでも上演されました。このときは碧水ホールの場合とは逆に、インドネシアのメンバーが中心となるものでしたが、中川真さん、佐久間新さんマルガサリのメンバーも参加しています。
 また、この頃の碧水ホールガムランワークショップで岐阜県のグループ「スカル・ムラティ」(代表尾関ひとみさん)が、私たちの活動を発見し、繁く水口へ通っていてくれます。
 冬には大阪でダルマ・ブダヤのコンサート「ガムランの冒険」、早春には東京の「ランバン・サリ」のコンサート「青銅音曲・二都物語」へ、5月にはマルガサリの本拠地、能勢町へも出かけました。なんだか、遠距離恋愛のようです。
 「桃太郎・第3場」は今年9月14日(日)、碧水ホールのコンサートのために制作・公演。
(中村道男/碧水ホール館長)
僕たちの遠距離恋愛
ガムランをめぐる2002.7-2003.6 (1)
http://www.jungle.or.jp/sazanami/gamelan/


関連の記事
●,島根県八雲村、熊野神社『庭火祭』
●ガムランコンサート
千の産屋---イザナギとイザナミの物語
2002年9月14日土曜日 午後6時開演
●先週、ガムランワークショップ
  &コンサートに行ってきた。

●本日のお客様コーナー 岩村原太さん



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