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H.V.S通信 vol.51 2002年(平成14年)4月



vol.51-21
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2001年度 (平成13年度) 碧水ホール 十大ニュース
 
 

碧水ホール
2001年度
(平成13年度)
碧水ホール
十大ニュース


 (順位はありません)              

■電子メールニュース
  配信開始
  IT講習会が各地で行われ、インターネット接続が日常となる時代。世間話も携帯電話 が主流かも。ということで、携帯のメールでも受信できるように、一通250文字以内 のテキストで電子メールニュースの配信を開始したのが2001年4月末。2002年4月3日現在 で、100通のニュースを配信しました。登録申し込みはこちらのアドレスへメールでど うぞ。hekisuih@town.minakuchi.shiga.jp 詳細はこちらのサイトでご案内しております。 http://www.town.minakuchi.shiga.jp/hekisuihall/

■とうとうガムランが
  響きわたる
 「えっ、碧水でガムランって初めてだったっけ?」とことあるごとに言われました。 民族音楽、アジア、アフリカのパフォーミングアーツ公演を多数開催してきましたが、 ガムランをまだ取り上げていなかったことが意外に思われたようです。それだけ、ガ ムランが広く認知されており、また好意的にとらえられていることの証しだと言える でしょう。 碧水ホール初のガムラン・コンサート(2001.9.29)のテーマは「ガムランによって 何が可能なのか」。古典楽曲の他、天才現代作曲家の野村誠の作品、休憩後には日本 のコンテンポラリー物語「桃太郎」をガムランで初演と、盛り沢山の内容。もちろん ワークショップも開催。3種類と欲張ったワークショップはどれも盛況でした。 開催日までには、企画監修者でありガムラン・グループのマルガサリ主宰の中川真さ ん講師によるNHK人間講座もタイミング良くオンエアーされていましたので、予習と して番組をご覧になった方もおられることでしょう。 なお、ガムランによる桃太郎は、桃太郎誕生までが上演され、全編一挙上演を目指し て、今後順次試みられる予定です。

■「ブラジル人は
  ブラジル映画を
  観ない。」?!
 ブラジル映画祭として、巨匠ネルソン・ペレイラ・ドス・サントス監督作品7本を特 集上映しました(2001.7.20-22)。水口町にはブラジルから移住したり働きに来てい る人がとても多いのですが、日本では映画館もビデオでも、そしてテレビでも、ポル トガル語の映像はほとんど見られません。ですから、久しぶりに母国の映画にふれて いただける機会になると思い、ブラジルの人々が集まるスポットへPRに出かけました。 そこには、ブラジル料理のレストランやスーパーだけでなく、ブティック、美容室、 携帯電話にコンピュータを売るお店、保育所もあり、ポルトガル語の字幕が入ってる ビデオのレンタルショップまでありました。オーナーにブラジル映画祭のポスター掲 示やチラシ配付などをお願いすると即okをいただけたのですが、喜びも束の間、「で も、ブラジル人はブラジルの映画をほとんど見ないですよ〜。」だって。そういや店 内はハリウッド映画のビデオが多いなあと思ってたら、「ほとんどハリウッド映画し か見ないんだよ」だって!ハリウッドの猛威を、こんなかたちで再認識させられると は。

■オケ夏初の
  ミュージック・キャンプ
 柏原市青少年オーケストラ 3年目となった「オーケストラとすごす夏休み」、略してオケ夏は前期 (2001.8.10-12)と後期(2001.8.24-26)で開催。前期には、大阪の柏原市にある柏 原市青少年オーケストラ(本文のみ柏オケと略します)がやってきました。家族と離 れて、いつもと違う空気の街に滞在しての練習。最終日にはコンサート開催がメニュー です。柏オケは、お子さんからご年輩まで年齢層もいろいろ。しかもかなりの大所帯 なので、碧水ホールの通常のステージだけでは乗り切れません。こういう場合、当ホー ルは幸い客席のアリーナ部分のイスが撤去できますので、この部分が一段目のステー ジとして使えます。 2日目でしたか、練習が終って宿泊所まで歩いて帰られる直前に雨が降ってきました。 さて、雨は止みそうにないし、こんな大所帯を運ぶ車などリザーブ無しではやってこ ない。誰も傘を持ってないし。うん?傘か…。そうだ、時効となった忘れ物の傘がた くさんあるぞ。ということで、押し入れに眠っていた大量の傘は、大阪からやってき た旅人を救ったのでした。

■ワークショップ
  花盛り
  サウンド・アーティスト水島一江さんが率いる糸電話のアンサンブル、ストリングラ フィのコンサートが、まなびの体験広場で開催(2001.6.23-24)。公演前に、子供対 象のワークショップ、見本市的ブースでは誰でも糸電話の音を体験。見た目からは想 像できないデカイ音がでるので、体験者はびっくり。 このストリングラフィを皮切りに、3年目に突入のオーケストラとすごす夏休みでは、 定番の「あなたのためのピアノ+室内楽ワークショップ」、欽劇座ぶとん座公演前に は「お笑いワークショップ」(2001.8.4)、そして大ブレイクしたガムラン・ワーク ショップ3連発。

■ダンスがせめてきた

 碧水ホールが、ずいぶん前から思いを寄せていながら企画実現にいたってないのが 「ダンス」。 ところが、今年は予期せずダンスが続々。ガムラン・コンサートでは、ジャワ舞踊も 披露された他、ワークショップも開催(2001.9.29)。そして、アメリカの前衛舞踏 家、シャ・シャ・ヒッグビーのソロ・ダンス公演(2001.10.14)。第3期ロビーライ ブハウス化計画最終弾の「森定道広ソロ・コンントラバス〜真実の生活」では、愛知 在住のコンテンポラリー・ダンサー、寺西愛が登場。そういや、ストリングラフィの コンサートも、かなりダンス・パフォーマンス的な演奏でした。

■インド映画は
  途中休憩が必須?
 インド映画の奇跡という名の元に、インド映画の伝説的人物グル・ダットのほぼ全作 品を特集上映(2001.10.6-8、10.27-28)。インド映画は基本的に長いです。そして 中盤になると「インターバル」つまり休憩の文字が入り、インドではそこで休憩が入 ります。ということで、日本が誇るタカラヅカ方式に似ているこのインド映画現地方 式を10作品中5作品で採用しました。休憩時も、もちろん現地にならい、チャーイ (インドのスパイス紅茶)をお出ししました。上映会を終えてみて、観客の感想やそ の他もろもろの印象では、「途中休憩を入れるように出来ている映画は途中休憩を 入れよう」でした。

■グル・ダットは
  やはり偉大だった

 グル・ダットは40年ほど前に亡くなっており、また夭折したため作品数も少ないの に、インドでは今もなお尊敬されている映画人だと伝えられています。が、直接現地 の人に確かめたこともなしで上映会に突入。 上映会が閉幕してしばらくしてから、碧水ホールでは世界湖沼会議(2001.11.7)の 関連シンポジウムが行われたのですが、国際ゲストのひとりにインド人がいることが 判明。そこでシンポジウムの当日、通訳の方に恐る恐る「あのインドの人に、グル・ ダットを知ってるかと聞いてほしい。」とお願いしました。やがてその通訳の方がやっ てこられて結果を聞くと、「もちろんグル・ダットは知っているし、わたしは彼の映 画をほとんど観ている。わたしだけでなく、多くのインド人はとても彼を尊敬してい るよ。ところで、グル・ダットの映画が日本でも観られるのか?どこで観られるんだ? 」と突っ込んでこられたそうです。シンポジウムの本番中、彼のテーブルの上には、 レジメとともに、終了した当ホール上映会のチラシが置かれていました。

■ジャズな秋

 第3期ロビーライブハウス化計画第1弾の「甲賀秋の陣」(2001.9.9)のラストに出演 したSOFT WINDSに始まり、第2弾の「イッソ・ボサノバ&ジャズ」(2001.9.15)の今 井祐岐(p.vo)、田井泰弘(g)、出山和仁(b)ではボサノバも展開。フリー・ジャ ズというよりも、構成力を持ったフリーという点では、プログレッシブ・ロックやラ ウンジ・リザーズ(俳優でありsax奏者のジョン・ルーリー率いる)を想起させてく れたスイスのトリオ、DAY &TAXI(2001.10.11)。お隣の滋賀県立水口文化芸術会館 では大御所ロン・カーター(b)、ルイス・ナッシュ(dr)、山口武(g)のトリオ (2001.10.21)。そして、ふたつの映像作品が放射する中、詩人、ダンサーがうごめ き、即興のソロ演奏が展開する「森定道広ソロ・コントラバス〜真実の生活」 (2001.11.24)。オーソドックスなものから、ジャズに収まりきらないものまで、め じろ押しの秋でした。

■心配したよ、
  来日公演ラッシュ
 テロ事件直後に、いつになくまとまった来日公演が予定されていて、予定外の不安が 募る日々。ガムラン・コンサートのアグス・スセノ fromインドネシア(2001.9.29) は、事件以前に来日済みでしたので問題はなかったのですが、珍道中になってしまっ たのはDAY &TAXI fromスイス。来日ビザの手続きが遅れるわ、スイスの某航空会社が 倒産し、オランダの飛行機に変更するわと、思い掛けないハプニングが続出。にもか かわらず、スイスのチョコレートをプレゼントしてくれる穏やかな紳士達は、クール に仕事をこなしてくれました。舞 踏 の シャ・シャ・ヒッグビー from USA、おとなり の滋賀県立水口文化芸術会館でもロン・カーターがやはりアメリカから来日 (2001.10.21)と、事件後一月で4件もの来日公演があったわけですが、どれも予定 通りに実現して、とにかくよかった、よかった。



(構成・文/上村秀裕/碧水ホール・学芸員)


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