hekisui Hall volunteer staff original 1995
Home page for all concert goers and movie goers

H.V.S通信 vol.62 2003年(平成15年)8月 home 63




HVS通信 vol.62
2003年(平成15年)8月

編集・発行
碧水ホールボランティアスタッフ
   滋賀県甲賀郡水口町水口5671
郵便番号 528-0005
電話 0748-63-2006
ファックス 0748-63-0752
e-mail michio@jungle.or.jp
ホームページ http://www.jungle.or.jp/hvs/

●紙上インタビュー野村誠さん(中村道男)...1
Do the FES!!!!(タケワカトモミ).....2
バイクの話(木田真也)....2
夏の音展2003(かずろう)...3
アートオブスター
ウォーズ展(李絵(りえ))....3

「アレクセイと泉」上映会を
します。(増井)....3

HVS活動リポート(野崎あき男)....4
奄美島唄ライブ(上村秀裕)....4

ワークショップ
『親子で楽しむ野村誠の世界』
8月20日からのスケジュールの参加者を
追加募集します。

8.20(水)21(木)22(金)
 いずれも18:00-20:00
23(土)リハーサル 24(日)本番
 いずれも14:00-16:00
参加費 大人 2000円 小学生以下1000円
 ガムランを使って音楽表現を楽しむワークショップです。
 音遊びの中から生まれたリズムや発想を現代音楽の作曲家野村誠が、一つの楽曲に仕上げていきます。24日にはコンサート本番にも参加します。
お申込・問い合わせ 碧水ホール
紙上インタビュー
野村誠さん
 (作曲家)

Q.....6月27日の大阪いずみホールでのコンサート「新・音楽の未来への旅シリーズ2003」の第2夜「ガムランマルガサリ」を見ました。パイプオルガンが垂直にそびえている(西洋の)クラシック専用ホールで、極めて平面的にガムランが配置されて、とてもユニークでした。中でも野村さんの新作「ペペロペロ」を興味深く拝見しました。
 このコンサートのCDが9月にリリースされると聞きました。大変楽しみにしています。
 あの作品をCDにするのはちょっと大変なのでは?

野村...視覚的なパフォーマンスの多い曲なので、CDではどうか、と考えられるのは尤もで す。でも、実は、「ペペロペロ」は、音にこだわって作曲している曲で、回転したり、 立ち上がったり、ダンスしたりするような動きから生まれる音が非常に重要な作品です。音だけで聴いても十分楽しめる曲として作曲していますので、その点は心配いりません。
 コンサート会場で目に楽しい部分に気を取られ音の面白さに気づけなかった方が、あらためてCDを聴いて、意外な音の表情に驚いてもらえるかも、とも思っています。
 ノイマンの高性能のマイクで録音した音源を、トラックダウンの作業では、微妙な音質の調整も可能な限りチャレンジしてみました。映画のサウンドトラックのような感じで、視覚抜きの「ペペロペロ」をお楽しみいただけると思います。

Q... そうでしたか。私は、この作品を2階席、ちょうど舞台を上の真横から見られる 位置というトリッキーな場所から見ていたのです。パイプオルガンがすぐ目の前、オルガンが共鳴しているような錯覚。奏者がサロンに囲まれた空間に丸くなって寝ている場面が、ちょうど生まれる前の赤ん坊みたいで、幻想的でした。 西さん(この曲ではガンバン)のアジア系モデル風メイクの、アイシャドーの色が成功、ひっつめ髪
が印 象的。 コンサート前半は前から、休憩時間には舞台の上でマイケル・アスロモの楽譜をのぞいてました。
 「言葉」はどうですか。「言葉」もとても面白くて耳を奪われてしまいましたが。

野村...「ペペロペロ」という曲は、体の動きから作っていったのですが、練習中に、演奏のイメージが弱い部分があったのです。そこで、「ふわふわ」とか、「ギンギン」とかキーワードを決めて練習しました。そうすれば、ニュアンスが豊かになると思ったからです。
 ところが、そうやって言葉のイメージで演奏してもうまくいきません。そこで、「モロヘイヤ」とか「かとりせんこう」、「すもうとり」などの即物的な言葉のイメージで、演奏してみました。すると、マルガサリのメンバーの遊び心がフル稼動し始め、演奏はイキイキするし、時には瞬間芸みたいなのも出てきたり、、、。とにかく、音楽が豊かになる可能性を感じたのです。もう、この方針で進むしかない、と確信しました。
 「いぬ」、「おえ」、「えび」、「さかな」、「たまご」、など様々な言葉で、シーンを作りました。マルガサリのメンバーと遊びながら生まれた表現のエッセンスを、演奏会で通用するようにアレンジしていきました。 今回の碧水ホールでのワークショップでも、きっと参加している子ども/大人の何気ない遊びや表現から発展して、意外性のある楽曲ができるであろうと、楽しみにしています。 
---------------
 「たまご」は、聴いているほうも参加したくなるモチーフ。「サニーサイドアップ+タバスコ!!」とか「目玉焼き+裏返し+生醤油!」とか、心の中で叫んでしまいました。
 質問は碧水ホール中村道男。答えはもちろん野村誠さんです。日本におけるジャワガムランの活動を追いかけている内に、野村誠という無視できない存在に行きあたりました。現代の人の為に現代の作曲家達が作る音楽・・結構身近に感じることができました。考えてみればモーツァルトもベートーヴェンもその時代にはそうだったのですから。
(中村道男・碧水ホール館長)



HVS通信62号の続きを読む

2003年9月9日から