碧水ホール・インタビュー1997

仙頭直美監督(旧姓河瀬)
公開インタビュー

企画上映「プライベート・ムービー〜私のまなざし、私の記憶」初日にて
日時=1997年11月29日(土)15:30〜16:30
会場=碧水ホール
録音=津田春吉(碧水ホール・音響)
進行・載録=上村秀裕(碧水ホール・学芸員)


1.コメント2.結婚しました!3.『萌の朱雀』のこと
4.『杣人物語』8ミリによる表現5.観客からの質問6.観客からの質問-2



       2

___みなさん、こんにちは。本日は碧水ホールにご来場いただきまして、ほんとにありがとうございます。
 これから監督にお入りいただきまして、皆様といっしょに映画のはなしをしていきたいと思うんですけど。それで、ちょっとこの1時間の段取りだけご説明したいと思います。前半のほうは、私は碧水ホールの上村と申しますけれども、私が聞き手役ということをさしていただきまして、まず、いろいろな映画の話をしていきたいと思います。それから、後半のほうになりましたら、ご来場の皆様からの質疑応答コーナーということで、そういう時間を作りたいと思っております。難しいこと考えなくていいと思いますので、素朴な疑問でもけっこうですし、何でもいいですから発言していただけたらなと思います。
それから、きょう予めリクエストカードというものをお配りして書いていただけるようにしておりまして、そこからもいくつかご紹介したいと思います。場合によりましては、その方をお探ししましてマイクをお持ちするかもしれませんので、よろしくお願いします。

 そしたら監督に入っていただきます。えー、仙頭直美監督です。みなさん拍手でお迎えください。

(会場拍手)

監督:こんにちは。えーっ、河瀬直美改め仙頭になりました。結婚しました(笑)。

(会場拍手)

監督:萌の朱雀』のプロデューサーの仙頭武則さんと結婚しまして、仙頭直美になっております。仙頭というのは、仙人の仙(せん)に頭(あたま)って書いて仙頭(せんとう)です。これからはそれで行きますので、お見知りおきを(笑)。では・・・

___はい。ではお座りください。

監督:はい。失礼いたします。

___監督、水口には去年の末に来られたんですよね、確か。通ったって言うてはりませんでしたっけ?

監督:あっ、通りました(笑)。

___それは何でですの?たまたまでしたん?

監督:たまたま(笑)。

___別に目的があってという・・・

監督:そうですね。あっ、ここかもっ、とか思って。

___会場が?

監督:うん。でもきょうは迷いました(笑)。

___ちょっと、きょうは高松から飛んで来られたんで。

監督:そうなんです。きのうからね、全国行脚の旅って感じで、けっこう一日ごとにいろんなところに移動している状態で。高松行って、きょう滋賀はいって、このまま東京行って。うーん、名古屋行って何や行ってっていうような。台北とかも行くんですよ。

___今年ですか?

監督:うん。5、6、7日(12月)は台北かな。なんかいろいろ忙しいですけど。

___まだ年内に外国へ行かはりますの?

監督:年内はその台北と、あとパリでプロモーションが始まる。フランスでも『萌の朱雀』が売れたので。で、配給会社さんが呼んでくださるってことで行くはずだったんですけれど。もうちょっと先の1月、2月ぐらいの公開になったんで、年明けになるんですけれど、それに出かけます。

___『萌の朱雀』、海外でもロードショー公開されるって聞いてるんですけれど、いくつぐらいの国でされるんですか?

監督:今んとこ5か国やったと思います。

___どこですか?

監督:まずは香港が、シュウケイさんのところで売れまして、『ラブレター』(1995年、岩井俊二監督)とかが売れたところですね。香港では大ヒットになってるらしいんですけど、『萌の朱雀』はもうすぐ公開かな。それと、あとパリ周辺のベルギーとか、オランダとか、あのあたりですね。

___まだ、上映したいっていうところがあるんでしょうね。

監督:そうですね。配給という形でフィルムが買われたのはそれだけなんですけれど、おかげさまで映画祭という形では、世界35か国ぐらいの国から引き合いが来て、まぁ、今世界へ映画が回って行ってる状態ですね。

___35か国全部行かはったんですか?今年。

監督:いや、行ってないです(笑)。

___どれぐらい行かはったんですか?

監督:行ってるとね、日本で生活できなくなる(笑)。うーんとね、『萌の朱雀』に関連しては、まず、最初がオランダでワールド・プレミアだったんですよ。で、オランダ行ってからは香港行って、シンガポール行って、でフランス・カンヌ行って、ほんで、オーストラリア行って、イタリア行って・・・、(笑)かなあ。

___それでやっと日本。

監督:公開になったんですよ。10月25日。

___10月下旬からやっと日本でも観られるようになって、待っておられた方たくさんいらっしゃると思うんですけれど。もう、『萌の朱雀』ご覧になった方いらっしゃいますか?(会場の反応を見る)おーっ。

監督:おーっ。

___けっこうありますね。大阪はまだやってるんでしたっけ?

監督:そうなんですよ。おかげさまで5週のはずが7週のロングランになっておりまして、きのうで5週目がおわり、あと2週間やってますんで、ぜひ。そのあとはね、京都も控えてますんで。

___京都、いつからですか?

監督:京都?20日でしたよね?(観客に聞く)えぇっ?6日から?

___12月6日から?土曜日ですね。

監督:すんません(笑)。

___うちの上映会のある日ですね(笑)。両方来ていただきたいんですけれど。

監督:私が舞台挨拶に行く日が20日やから、20日からやと思ってました。すみません。

___(観客からチラシを受け取る)えーっと、あっ、ありがとうございます。12月6日から。

監督:26日まで。

___京都のみなみ会館!

監督:そうですね。で20日の日に私が来場するということです。20日。

___約20日間ですよね。滋賀県で上映されることってないんでしょうかね?

監督:滋賀県・・・(笑)

___滋賀県ってあんまり来やはったことって、ないんですよね?

監督:おばあちゃんがね、滋賀の出身なんですよ、実は。

___えっ、宇乃さんですか?

監督:うん、今観ていただきました(この日河瀬作品『かたつもり』1994年、『天、見たけ』1995年の2本を上映しており、いずれも監督のおばあさんである宇乃さんが出演している)自分の育てのおばあちゃんなんですけど。が、近江八幡。

___あっ、そうですか。ほなここから車で30分ぐらいのとこですよ、けっこう近いです。

監督:そうですね。ほんで専門学校時代にスタッフは一人滋賀県やったとかですね。生徒の一人が滋賀県やったとかですね(笑)。なんかそういうので、撮影がてらに来たってこともありますね、思い出は。琵琶湖でビーチ・バレーした思い出もありますけど(笑)。

___そしたら、あんまり映画に関したことで滋賀県に来られたっちゅうことは(笑)。

監督:うーん、上映してこういった形で呼んでいただいたっていうのは初めてじゃないかな。滋賀は。

___そうですか。私もちょっと。

監督:記憶にない?

___ないというか、情報を仕入れてなかっただけかわかんないですけど。それで、今回の特集で4本上映させてもらうんですけども、これだけまとめて上映するのは・・・。

監督:えぇ、はじめてですね。上村さんのおかげさまで、もう(笑)。








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